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S210系トヨタ・クラウンアスリート(2012-2018)の買取相場

クラウンアスリート 査定

トヨタのフラッグシップサルーン・クラウンが若返りを図るのに大きな役割を果たしたスポーティ版「クラウンアスリート」。現行S220系ではRS系と名を変え販売の主力となっていますが、最後のアスリートとなった先代S210系ではピンク色や空色、若草色の限定車までラインナップしてかなり攻めたモデルでした。そのS210系クラウンアスリートの買取相場は現在どうなっているでしょう?

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若返りクラウンの集大成!攻めに攻めた14代目クラウンアスリートS210系

1955年に初代モデルが発売されて以来、トヨタのフラッグシップサルーンとして君臨し、バブル時代には月間販売台数トップすら記録した事もあるクラウン。

しかし1990年代後半になるとRVブームによるセダン市場の低迷、さらにクラウン自体が保守的な高齢ユーザー向けの車となっていて、このままでは販売が先細りして遠からず消えてしまうのは目に見えていました。

そこで1999年に発売された11代目S170系以降、それまで何度かスポーティグレードとして設定されていた「アスリート」を復活させ、クラウンのスポーティイメージ復活とユーザー若返り策の主軸と定めます。

その傾向は代を重ねるごとに強まり、2012年に発売された14代目S210系の頃にはかつての主力グレードである「ロイヤル」シリーズは保守派ユーザー向けマイナーグレードとなり、販売の主力はクラウンアスリートへ移っていたのです。

大型化されたフロントマスクも、アスリートでは稲妻のようなサイドラインを持つフロントグリルがを上から下まで貫き、ダイナミックさを強調したデザインとなっており、さらには新時代のクラウンとして旧時代の殻を完全に脱ぎ去るド派手な「ピンク」、爽やかな「空色」「若草色」といった限定色モデルも登場。

特にピンク色は生まれ変わったクラウンを意味する「リボーンポンク」というグレード名で、「ピンクラウン」と通称されるなど話題になりました。

純ガソリン仕様は2.5リッターV6(アスリート/アスリートS/アスリートGのFR車およびそれらの4WD車)、3.5リッターV6(アスリートS/アスリートGのFR車)でスタート、2015年10月には2.5リッターのFR車が廃止されて2リッターターボ(アスリート-T/アスリートS-T/アスリートG-T)へ更新。

ハイブリッド車は当初2.5リッターハイブリッドのFR車のみでしたが2014年7月に4WD車が加わっています。

それぞれ特別仕様車「J-FRONTIER」(2016年8月)、「J-FRONTIERリミテッド」(2017年8月)が発売されたほか、ハイブリッドでは「Black Style」(2014年7月)も発売されていますが、他車種と比べて特別仕様車やグレード追加は少なく、地力で勝負できる数少ない車種の一つでもありました。

次の15代目S220系ではロイヤルやアスリートというグレード名は消え、アスリート系の後継車「RS」系グレードと、そのラグジュアリー版「B」「S」「G」などがロイヤル系として残るようになり、クラウンアスリート後継車が「クラウン」という事になっています。

ただし20年近くスポーティ版クラウンとして名を上げたクラウンアスリートのネームバリューは大きく、中古車市場でも人気車種となっており、特に最後の14代目S210系はハイブリッドがよく売れたのか、中古車のタマ数が豊富です。

14代目クラウンアスリートS210系・中古車販売価格の相場と流通台数は?

14代目クラウンアスリートS210系には2リッター直4ターボ/2.5リッターまたは3.5リッターV6自然吸気ガソリンエンジンを積む純ガソリン車と、2.5リッターV6自然吸気ガソリンエンジンにフルハイブリッドシステムを組み合わせたハイブリッドが存在します。それぞれの中古車販売価格の相場と流通台数を大手中古車情報サイトからチェックしてみましょう(2020年8月現在)。

14代目クラウンアスリートS210系(2012.12-2018.6)

修復歴なし:137~398.8万円・239台
修復歴あり:158~258万円:16台

14代目クラウンアスリートS210系ハイブリッド(2013.1-2018.6)

修復歴なし:115~495万円・756台
修復歴あり:138~298万円・56台

双方合わせて1,067台程度が流通しており、ハイブリッド車の方が新車価格が平均して約60万ほど高いためか中古車価格も高め推移で、完成度の高いハイブリッドシステムを搭載し、動力性能と経済性を両立したハイブリッド車の方が売れたのか、タマ数も豊富です。

ハイブリッド車は車種によって純ガソリン車より若干安めで中古車販売されることもありまが、クラウンアスリートの場合はむしろハイブリッドの需要が高いとわかります。

14代目クラウンアスリートS210系・買取価格の相場と、年式、グレードごとの傾向は?

では、買取相場ではどのように評価されているのでしょうか?これも大手買取専門業者のサイトで買取実績が確認されたものを、年式やグレードごとの評価と合わせて紹介します。

まずは年式ごとの平均買取価格と平均残価率(オプション込み新車実勢価格に対する買取価格の割合)です。

14代目クラウンアスリートS210系(純ガソリン車)

2013年式:約143万円・約26%
2014年式:約160万円・約30%
2015年式:約162万円・約30%
2016年式:約190万円・約36%
2017年式:約210万円・約40%
2018年式:買取実績なし
総合:約174万円・約34%

14代目クラウンアスリートハイブリッドS210系

2013年式:約138万円・約24%
2014年式:約154万円・約26%
2015年式:約168万円・約30%
2016年式:約203万円・約35%
2017年式:約230万円・約41%
2018年式:約226万円・約41%
総合:約179万円・約32%

約60万円ほど新車価格が高く、中古車販売価格も高め推移のハイブリッド車が意外にも買取相場では純ガソリン車と同程度になっています。

それでも「高年式なら純ガソリン車より高く、低年式になるほど逆転して純ガソリン車より安くなる」という、ハイブリッド車にありがちな傾向はクラウンアスリートでも変わらないようです。

なお、どちらも初回車検(3年目)までは高価買取で、それ以降は古くなるほどゆるやかなカーブを描いて安くなっていきますが、7年落ち約24~26%という平均残価率は新車販売で不振が続く4ドアセダンとしてはかなり優秀と言えます。

続いて大まかなグレードごとの平均買取価格と平均残価率です。

14代目クラウンアスリートS210系(純ガソリン車)

アスリート系(廉価グレード):約158万円・約37%
アスリートS系(標準グレード):約185万円・約36%
アスリートG系(上級グレード):約177万円・約30%

14代目クラウンアスリートS210系ハイブリッド

アスリート系(廉価グレード):約150万円・約31%
アスリートS系(標準グレード):約196万円・約35%
アスリートG系(上級グレード):約192万円・約30%

いずれも標準グレードでしばしば特別仕様車や限定カラー車が販売された「アスリートS」系が平均買取価格・平均残価率とも飛び抜けており、廉価グレードの評価が低いのはどの車種でも同じです。

しかしクラウンでは最上級グレードの「アスリートG」が評価いまひとつで、あまり豪華装備で高価なモデルですとISなどレクサス車との価格差が少ないため、わざわざクラウンの最上級グレードを選ぶ理由が薄いのが理由かもしれません。

なお、S210系クラウンアスリートといえば有名な「ピンクラウン(リボーンピンク)」や、ハイブリッド限定の「若草色エディション」「空色エディション」の評価が気になりますが、買取相場で実績があったのはハイブリッドの「アスリートGリボーンピンク」のみで、6年落ち(2014年式)が189万(残価率29%)、7年落ち(2013年式)で148万円(同22%)と、他グレードと同じかやや低いくらいでした。

やはり奇抜なボディカラーだけに、買取相場でも希少ではあっても人気カラーという取り扱いではなさそうです。

14代目クラウンアスリートS210系はアスリートSなら3年落ち以上でも値落ち少ない

手頃な価格で必要十分な快適装備が備わる「アスリートS」が純ガソリン・ハイブリッド問わず買取相場で評価の高いS210系クラウンアスリートですが、実は初回車検の3年落ちまでならリセールバリューに他グレードとの差はあまりありません。

差が出てくるのは3年落ちより古い年式で、「アスリート」系、「アスリートG」系より値落ちがゆるやかなアスリートSは、古くなるほど他グレードよりリセールバリューが高い傾向にあります。

つまりアスリートSなら長く乗ってからでもそれなりの高価買取が期待できますが、アスリートやアスリートGなら初回車検(3年目)かせいぜい2回目の車検(5年目)で買い替えを検討していかないと、思ったより値がつかない事がありえるかもしれません。

ただ、クラウンは現行型がグレード体系やグレード名変更、Cピラーを寝かせた4ドアクーペルックが今ひとつ受け入れられていないようで、それが先代クラウンアスリートがまだ中古車市場で(セダンの割には)高評価の一因、という可能性もあります。

その場合、マイナーチェンジで思い切ったデザイン変更を受け、それが市場に受け入れられるとS210系の価値も下がりますから、そうなる前に売却を検討するのが間違いなさそうです。

※中古車販売価格や買取相場は2020年8月現在の金額です。

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