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レクサスRX 高級クロスオーバーSUVの元祖的モデル

レクサスRX 査定

今では世界中の高級車メーカーやスーパーカーメーカーが競うようにクロスオーバーSUVを売るようになりましたが、その元祖といえばトヨタの高級車ブランド・レクサスから1998年にデビューしたRXでした。大衆向けシティオフローダーに留まっていたクロスオーバーSUVで高級乗用車を作るというのは画期的な出来事で、そこから20年ほどかけて現在の高級SUVブームがあるのです。

目次

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各代の概要と時代背景

トヨタ・ハリアーの名で国内販売された初代(1997-2003)/2代目(2003-2013)

第2次世界大戦で大活躍、戦後に民生用として広まった「ジープ」を起源に持つ、武骨で本格的な悪路走破性を持つクロスカントリー4WD車とは別に、乗用車テイストの内外装やボディ、オンロード走行性能にも優れた駆動系やサスペンションを持つ「クロスオーバーSUV」の起源は諸説ありますが、1980年代前半のアメリカでもその芽は出ていました。

セダンベースでオフローダーの駆動系を組み込んだAMC・イーグルや、ラダーフレームを廃したモノコックボディに舗装路での高速走行にも対応した4輪駆動システムを持つ2代目ジープ・チェロキーなどを始祖として、その頃に初めてソコソコの悪路走破性と乗用車並の快適性や操縦性を組み合わせた車種を、「クロスオーバーSUV」と呼ぶようになります。

とはいえいずれも見た目は武骨なオフローダー風。それがデザインとしても垢抜けるのは1990年代前半に登場した、トヨタ・RAV4とホンダ・CR-Vの初代モデルからです。

乗用車チックなスタイリッシュボディへ、乗用車そのもので操縦性も快適性も優れたメカニズム、乗用車の4WDモデルと同程度で悪路走破性はそこそこながら、それゆえ軽量安価な4WDシステムといった要素を備えた近代クロスオーバーSUVはたちまち世界中で大ヒットになり、都市から本格オフローダーを締め出すシティオフローダーとして君臨しますが、まだまだ大衆車の領域。

そんな中、初の高級クロスオーバーSUVとして1998年に登場したのがトヨタの高級車ブランド「レクサス」からデビューした「RX」で、中型セダンのカムリをベースに、ルーフ後端が下がったクーペルックの5ドアハッチバックボディを持ち、高級感あふれる内外装や信頼性が高く静粛性も高いパワーユニットを持つRXは、「高級車といえばセダンやクーペやオープンカー」という常識を打ち破ったのです。

日本ではまだレクサスが展開する前だったため「トヨタ・ハリアー」として販売されましたが、やはり大ヒット。フォーマルな服装で高級ホテルへ乗りつけても場違い感はなく、快適性も高い上に存在感も高く、セダンよりアグレッシブな印象を与える車として、その後のトレンドを形作っていきます。

2003年にモデルチェンジした2代目でもその勢いは衰えず、2009年に3代目RXがようやく日本でもレクサスブランドで発売されて以降も、RXがレクサス車として高価になった事もあって2代目ハリアーの人気は衰えず、2013年まで継続販売された上にRAV4ベースでRXとは別の3代目ハリアーとして発展しました(2020年8月現在は4代目)。

なお、現在でも2代目ハリアーは「レクサス車だけどトヨタブランドで中古車価格も手頃な車」として、若者のデートカー需要など人気があります。

(代表スペックと中古車相場)
トヨタ GSU35W ハリアー(2代目) 2007年式
全長×全幅×全高(mm):4,735×1,845×1,680
ホイールベース(mm):2,715
車重(kg):1,760
エンジン:2GR-FE 水冷V型6気筒DOHC24バルブ
排気量:3,456cc
最高出力:206kw(280ps)/6,200rpm
最大トルク:346N・m(35.3kgm)/4,700rpm
10・15モード燃費:9.4km/L
乗車定員:5人
駆動方式:4WD
ミッション:5AT
サスペンション形式:(F・R)ストラット
中古車相場:25~250万円(初代/2代目のハイブリッド含む車両本体価格・2020年8月現在)

日本国内で初のレクサスSUV、3代目L10W系(2009-2015)

いよいよ日本でも「レクサスRX」として販売された3代目RXは2009年1月に登場。当時、日本のレクサスでは4ドアセダンや2ドアクーペカブリオレ(SC)しか販売しておらず、人気のSUVもミニバンもなく販売が苦戦する中、待望していた初のSUVでした。

当初は継続していた2代目ハリアーと差別化する意味もあってか、ラインナップは3.5リッターV6ガソリンエンジンの「RX350」と、同ハイブリッドの「RX450h」2種類のみで、2代目ハリアーからV6エンジン搭載車が廃止された事で棲み分けはできていましたが、やはり高価な3代目RXはやや鈍いスタートとなります。

その後2010年8月には2.7リッター直4エンジンを搭載した廉価版「RX270」の追加や、2012年4月のマイナーチェンジでレクサス車に共通するアイデンティティとなる「スピンドルグリル」が採用された事でハリアーとの差別化も進み、2013年12月には3代目ハリアーがRXより一回り小さいRAV4ベースでデビューした事から、ようやくRXとハリアーは全く別な車となりました。

なお、ラインナップは各通常グレードにサブグレードとしてスポーティな「バージョンS」、ラグジュアリー性を高めた豪華仕様「バージョンL」「バージョンL・エアサスペンションが設定されていましたが、2013年のマイナーチェンジでバージョンSがよりスポーティな「Fスポーツ」へ発展解消しています。

特別仕様車は2010年8月にツートーン配色シートなどを採用し真昼の日差しをテーマとした「アートワークス」がRX270およびRX350ベースで。2014年8月にフロントグリルやフロントエアロバンパーの配色を専用ダークグレーとして、専用19インチアルミやLEDフロントフォグランプなどスポーティな内外装を施した「ラディアント エアロスタイル」が全グレード通常型をベースに発売。

この3代目RXでようやく人気カテゴリーのSUVも日本で売れるようになり、日本でも「レクサス」ブランドの浸透は進みますが、その一方でISやGSなど高級スポーツセダンの存在感は薄まっていき、レクサスはさらにLX(ランクル200のレクサス版)や、NX、UXといったSUVのフルラインナップ化へ進んでいき、RXはそのフラッグシップモデルというポジションです。

(代表スペックと中古車相場)
レクサス GYL15W RX450h Fスポーツ 2014年式
全長×全幅×全高(mm):4,770×1,885×1,690
ホイールベース(mm):2,740
車重(kg):2,160
エンジン:2GR-FXE 水冷V型6気筒DOHC16バルブ
排気量:3,456cc
最高出力:183kw(249ps)/6,000rpm
最大トルク:317N・m(32.3kgm)/4,800rpm
モーター:4JM(フロント) / 2FM 交流同期電動機
最高出力:123kw(167ps・フロント) / 50kw(68ps・リヤ)
最大トルク:335N・m(34.2kgm・フロント) / 139N・m(14.2kgm・リヤ)
JC08モード燃費:16.8km/L
乗車定員:5人
駆動方式:4WD
ミッション:-
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)ダブルウィッシュボーン
中古車相場:59.8万~509.3万円(車両本体価格・2020年8月現在)

「RXを超えるRX」を目指した、4代目L20W系(2015-)

4代目RXは2015年10月のモデルチェンジで登場。開発コンセプトは「RXでありながら、RXを超えていく」として内外装の質感や操縦安定性の向上、先代後期ではまだ控えめだったスピンドルグリルをバンパー下端まで思い切って拡大したアグレッシブフロントマスクなど、「RXらしさ」は残しつつ歴代RX最高を目指した進化が行われています。

ラインナップはハイブリッドのRX450hは継続されたものの、ガソリン車はRX270、RX350とも廃止されて新開発の2リッター直4ターボエンジンを搭載した「RX200t」を設定し、後に「RX300」へと改称、通常型と「Fスポーツ」「バージョンL」2つのサブグレードは先代後期と同様で、2016年3月にはそれまで4WDのみだったFスポーツにFF車も追加されました。

2017年12月の一部改良ではRX200tをRX300へ解消するとともに、3列シートSUVの流行を受けてRX450hのリアオーバーハングを延長、3列目シートを追加した「RX450hL」を追加、当初2列目が3人がけで2-3-3レイアウトの7名乗りでしたが、2019年8月のマイナーチェンジで2列目を左右独立キャプテンシートとした2-2-2レイアウトの6名乗り仕様をオプションで選択可能になっています。

また、2018年8月にはスピンドルグリルやリアバンパーロアガーニッシュなどメッキ部分と、アルミホイールなどにブラック塗装を施し、インテリジェントクリアランスナーなど一部安全装備を特別に標準装備した特別仕様車「ブラックシークエンス」がRX300、RX450hをベースに発売されました。

(代表スペックと中古車相場)
レクサス GYL25W RX450h Fスポーツ 2020年式
全長×全幅×全高(mm):4,890×1,895×1,710
ホイールベース(mm):2,790
車重(kg):2,060
エンジン:2GR-FXS 水冷V型6気筒DOHC16バルブ
排気量:3,456cc
最高出力:193kw(262ps)/6,000rpm
最大トルク:335N・m(34.2kgm)/4,600rpm
モーター:6JM(フロント) / 2FM 交流同期電動機
最高出力:123kw(167ps・フロント) / 50kw(68ps・リヤ)
最大トルク:335N・m(34.2kgm・フロント) / 139N・m(14.2kgm・リヤ)
WLTCモード燃費:15.3km/L
乗車定員:5人
駆動方式:4WD
ミッション:-
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)ダブルウィッシュボーン
中古車相場:330万~1,098万円(車両本体価格・2020年8月現在)

各代の主な新装備

3代目L10W系

・新型3.5リッターV型6気筒DOHC24バルブ自然吸気エンジン「2GR-FSE」
・同新型「2GR-FXE」+ THS-IIハイブリッドシステム(EVモードつき)
・新型2.7リッター直列4気筒DOHC16バルブ自然吸気エンジン「1AR-FE」
・カーナビシステム操作用「リモートタッチ」
・ヘッドアップディスプレイ(RX450hに標準)
・LEDヘッドランプ(同上)
・アクティブスタビライザー(RX450hバージョンSに標準)
・パドルシフト(RX350Fスポーツに標準)
・パフォーマンスダンパー(Fスポーツ各車に標準)
・ITSスポット対応DSRCユニット(2013年7月以降全車標準装備)

3代目RXではまずパワーユニットが一新され3.5リッターV6エンジンは先代の2GR-FEを改良した直噴仕様の「2GR-FSE」、ハイブリッド車も先代の3.3リッターV6エンジンベースから、2GR系のアトキンソンサイクルエンジン「2GR-FXE」と、新たにモーター単独走行も可能なEVモーターが追加された進化型のTHS-IIが採用されました。

モデル途中で追加された2.7リッター直4の「1AR-FE」は北米向け大型ミニバンやSUVの廉価グレード向けエンジンで、十分な動力性能と優れた環境性能が売り。

走りの面では前期型のRX450hバージョンSへ「アクティブスタビライザー」、後期型のFスポーツ各車へ「パフォーマンスダンパー」を装備して走行状況に応じたボディやサスペンション性能の自動調整を行うほか、後期RX350Fスポーツにはスポーティなパドルシフトも標準装備。

インテリアではカーナビやオーディオユニットをパソコンのマウス感覚で操作できる「リモートタッチ」、走行情報を視界移動の少ないコンソール上で表示させる「ヘッドアップディスプレイ」がレクサス初採用されたほか、2013年7月の改良以降は双方向通信で走行情報取得を支援する「ITSスポット対応DSRCユニット」が全車標準装備となりました。

また、RX450hではLS600h以来レクサスでは2例目となるLEDヘッドランプが標準装備となるなど、レクサスのクロスオーバーSUVトップモデルとして最新装備がおごられています。

4代目L20W系

・新型2.0リッター直列4気筒DOHC16バルブターボエンジン「8AR-FTS」
・新型3.5リッターV型6気筒DOHC24バルブ自然吸気エンジン「2GR-FXE」+ THS-II
・ダイナミックトルクコントロール4WD
・ACA(アクティブコーナリングアシスト・2019年8月マイナーチェンジ以降)
・LEDシーケンシャルターンシグナルランプ
・アダプティブハイビームシステム「ブレードスキャン」(2019年8月マイナーチェンジ以降)
・予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」
・安全運転支援システム「ITS Connect」
・近距離警戒装置「インテリジェントクリアランスソナー」
・駐車時左右後方警戒装置「リヤクロストラフィックオートブレーキ」
・パーキングサポートブレーキ(2020年7月改良以降)
・ブラインドスポットモニター(同上)
・タッチレスパワーバックドア
・ハンズフリーバックドア(2019年8月マイナーチェンジ以降)

4代目ではハイブリッド車のV6エンジンが改良型の「2GR-FXE」になったほか、日本仕様のガソリンエンジンは2リッター直4のダウンサイジングターボ「8AR-FTS」へ集約。

走りの面では他に4WD車の電子制御AWDが単純に路面状況に応じた前後駆動力配分方式から、ステアリング操作など運転状況にも応じた制御を行う「ダイナミックトルクコントロール4WD」へと進化、さらにマイナーチェンジでコーナリング中のアクセル操作でアンダーステアを防ぐよう自動スロットル調節を行う、「ACA(アクティブコーナリングアシスト)」が標準となりました。

灯火類はウインカーが流れるタイプの「LEDシーケンシャルターンシグナルランプ」になったほか、マイナーチェンジでより細やかな遮光とハイビーム照射範囲拡大を可能とする「ブレードスキャン」アダプティブハイビームシステムを装備。

もっとも充実したのは予防安全装備で、衝突被害軽減ブレーキや車線維持サポート、全車速追従機能つきアダプティブ・レーダークルーズコントロールなどをパッケージ化した「Lexus Safety System +」を標準装備し、2019年8月に昼間の自転車、夜間歩行者にも対応するなど機能向上。

さらに駐車支援用のクリアランスソナーや後左右警戒システム、車車間通信、路車間通信により運転支援情報を外部から入手できる「ITS Connect」なども標準またはオプションで追加されています。

使い勝手の面ではモデルチェンジの時から、レクサスエンブレムへ手をかざすだけで電動で開く「タッチレスパワーバックドア」や、マイナーチェンジ以降はさらにバックドア下へ足をかざすだけで開く「ハンズフリーバックドア」が採用され、荷物で手がふさがっている際のバックドア開閉をとても楽にしました。

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