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コンパクトカーとしても小さな3列シートミニバンとしても魅力満点!ホンダ フリード

フリード 査定

3列シートコンパクトミニバンの売れ線として、トヨタ シエンタとともに定着しているのがホンダのフリードです。同社のコンパクトカー、フィットをベースにフロントから後ろに専用フロアを用いて背の高い箱型ボディを載せてミニバン化しており、グレイス(4ドアセダン)やヴェゼル(SUV)とともに、フィットファミリーの一員を構成しています。

目次

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各代の概要と時代背景

総合概要:3代かけて花開いたホンダのコンパクトトールワゴン / ミニバン

1990年代後半、スズキ ワゴンR(1993年初代発売)の成功を受け、コンパクトカーの分野でも各社のベーシックモデルを元にしたトールワゴンやミニバン開発が盛んになります。

その中で生まれたのがトヨタ ファンカーゴ(ベース車:初代ヴィッツ)や日産 キューブ(同:2代目マーチ)、ダイハツ YRV(同」ストーリア)などで、ホンダもロゴをベースに1998年にキャパを発売しました。

しかし、当時のホンダでロゴやそれをベースにした派生車の評価は今ひとつで、キャパに続き2001年に発売されたモビリオは、傑作コンパクトカーの初代フィットをベースに大胆なヨーロッパ風路面電車(ユートトラム)デザインを採用した3列シートミニバンとなります。

1.5リッター以下の3列シートミニバンとしては、トヨタ ミニエースコーチのように1960年代の車や、1980~1990年代のスバル ドミンゴのような軽1BOXベース車では前例があったものの、FFコンパクトカーベースとしては初の試みでした。

しかし、当時ひと回り大きい初代マツダ プレマシーでも3列シート車では3列目スペースがミニマムとされており、それより小さいモビリオは大胆ではあったものの、ヒット作とまではいきません。

そこで、モビリオ後継は思い切ってフロアをベースのフィット(2代目)より延長、前後空間に余裕を持たせたことでようやく実用性を認められ、「スライドドアも持ち、実用性を持つミニバンでは最小」として、トヨタ シエンタともども評価されるようになります。

それが2008年5月に発売されたモビリオで、駐車スペースの制約や狭い道を走る必要性のあるファミリー層に歓迎されるヒット作となりました。

2016年に発売された2代目(3代目フィットがベース)では同クラスミニバンの中で唯一4WDの設定されたハイブリッド車もラインナップ、2列シート仕様は初代から引き続き車中泊にも適したレジャー層にも受け、ミニマム・ミニバンとして高い人気を誇っています。

満足のいく実用性を得た、初代GB3 / 4型(2008-2016)

5ナンバーサイズで1.5リッター以下の3列シートミニバン、となるとキャブオーバー式で車内長に余裕のある軽1BOX車ベース以外だと成り立ちにくく、作ったとしても3列目はエマージェンシーシート的になりがちでした。

しかし、ホンダがコンパクトカーのフィット(2代目)をベースに、フロントエンジンルーム部分の骨格は流用しつつその後ろのフロアパネルは思いきって新造、最低限ではあるものの、3列目にしっかり実用性を持たせたのが2008年5月発売の初代フリードです。

そのポイントは、車内長を延長(モビリオ比で2,435→2,625mm)させるための全長延長のみならず、燃料タンクをフィットやモビリオと異なり2列目下に配したことで2列目の足元空間を広げ、3列目スペース拡大と合わせ全シートの居住性を向上させたことにありました。

前期型の3列目3人がけシートこそやや狭かったのか、2011年10月のマイナーチェンジ以降の後期型では2人がけに変更、定員が前期(7 / 8名)より減って6 / 7名となりましたが、むしろ実用性は向上したと言えます。

この燃料タンクおよびシート配置により車内高はモビリオより低く(1,360→1,265mm)なりましたが、3列シート車としては前後方向の確保の方が喜ばしいことでした。

また、3列目シートの実用性を高める努力はスライドドアでも表現されており、開口幅の拡大で3列目へのアクセス性は確実に向上しています。

キャパ、モビリオを経て3代目でようやくホンダはユーザーの満足いくコンパクトミニバン開発に成功し、コンパクトカーとしても使いやすいボディサイズと定員が乗っても問題無い実用性によって、発売直後からヒット作となったのです。

なお、バリエーションは定員が前期型が2列シート5名(FLEX)または3列シート7 / 8名、後期型が3列シートのみ6 / 7名、駆動方式はFFか4WDでエンジンは1.5リッターSOHCのみ、ミッションはFFがCVT(トルコン付き)で4WDが4ATでした。

また、2010年7月には2列5名乗りレジャー向け仕様のフリードスパイクと、後期型ではフリード、フリードスパイク双方にホンダIMAを採用したハイブリッドが追加されています。

(代表スペックと中古車相場)
ホンダ GB3 フリード G Lパッケージ 2008年式
全長×全幅×全高(mm):4,215×1,695×1,715
ホイールベース(mm):2,740
車重(kg):1,310
エンジン:L15A 水冷直列4気筒SOHC16バルブ i-VTEC
排気量:1,496cc
最高出力:118馬力 / 6,600rpm
最大トルク:14.7kgm / 4,800rpm
乗車定員:8人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):16.4(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):9.5万円~220万円(スパイク、ハイブリッド含まず)

HVシステム一新で燃費向上!運転のしやすさにも配慮した2代目GB5 / 6型(2016-)

2代目フリードは2016年9月に発売、基本的にはキープコンセプトながら、ベース車が3代目フィットになったことで内容は大きく変わりました。

3列シートミニバンとしてもっとも重要な車内スペースと使い勝手については、車内長が初代よりさらに拡大(2,625mm→3,045mm)したことで1~3列目シート間隔が広くなっています。

2列目キャプテンシートのスライド量も120mm拡大した360mmとなって、2列目前に荷物を積んだり3列目から複数の子供を世話する親など負担を軽減、1列目と2列目の左右シート間も広げてウォークスルーしやすくなりました。

各列の間隔拡大に合わせてスライドドアのスライド量も拡大し、3列目へのアクセスを引き続き良好にしています。

また、ドライバーの運転しやすさにも配慮され、フロントガラス上部をルーフ部分左右で伸ばし視界を向上、Aピラーも細くして、斜め前方の死角を減らし、メーター類も薄い横長タイプを奥に配置して視線移動を減らすなど、ドライバーの負担軽減効果を高めました。

ここまで使い勝手を高めても全幅は1,695mmと5ナンバーサイズに収まっているため、フリードが本来持つ魅力は損なわれておらず、安全運転支援装備”Honda SENSING”の標準装備など、安全性はより高まっています。

ライバル車のトヨタ シエンタともども国内販売台数ランキング上位で争う関係は変わらず、当面この2台が日本の代表的コンパクトミニバンという時期が続きそうです。

(代表スペックと中古車相場)
ホンダ GB3 フリード G Lパッケージ 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,265×1,695×1,710
ホイールベース(mm):2,740
車重(kg):1,360
エンジン:L15B 水冷直列4気筒DOHC16バルブ i-VTEC
排気量:1,496cc
最高出力:131馬力 / 6,600rpm
最大トルク:15.8kgm / 4,600rpm
乗車定員:7人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):19.0(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):139万円~257万円(フリード+、ハイブリッド含まず)

各代の新装備

上級車種で得た技術の集大成、意外と新装備は少ない初代

初代フリードは2代目フィットのフロアパン延長版で、モビリオでは耐久性に問題のあったCVTを一般的なトルコン付きCVTとして信頼性向上という新しい装備を施した部分もあるものの、基本的にはそれまでのホンダ車で蓄積した技術の集大成と言えます。

デザインはエリシオンなどを参考にクラスレスの大きく見せるボリューム感あるものが採用されて、見た目に車内スペースの広さを連想させ、3列目シートはステップワゴンの改良型(前期用3人がけのみ)、4WDの5速ATもフィット由来。

ハイブリッドのIMAやエンジンなども過去のホンダ車で採用されて実績あるもので、それをうまくパッケージングしてコンパクトながら実用性ある3列シート車を作ることに主眼が置かれていました。

フリードがデビュー後の新装備としては、ディスチャージヘッドライトや電動パワースライドドア、スマートキーやスーパーUVカットガラス採用などが挙げられます。

パワーユニット更新とマルチシェル骨格採用が特徴の2代目

2代目ではパワーユニットが大きく更新され、ガソリン車はDOHC化で出力向上、ハイブリッドシステムも3代目フィットなどで先行されたモーター独立走行の可能な最新システムを7速DCT組み込んだ最新版になり、出力や燃費が大きく向上しました。

大きな変更点はボディそのものにあり、最小限のパーツ変更でベーシックモデルの3列シートガソリン車から、ハイブリッド車、車椅子ごと乗れる福祉仕様車まで生産ライン上で容易に対応可能な”マルチシェル骨格”を採用。

その副次的効果として、2列シート仕様のフリード+(フリードスパイク後継)では荷室開口部の高さを初代のフリードスパイクより大幅に低くできました。

最新装備としては安全運転支援パッケージ”Honda SENSING”を一部廉価グレードがオプションのほかは標準装備(レスオプション可能)となっています。

それも、衝突被害軽減ブレーキや歩行者事故低減ステアリングアシスト、車線逸脱抑制ステアリングアシスト、標識認識機能、アダプティプクルーズコントロールなど発売当時の運転支援装置としては十分以上の装備で、ライバル以上の安全機能の豊富さが特徴です。

派生モデル

フリードハイブリッド(初代・2代目)

初代フリードハイブリッドではエンジンとミッションの間に配置された1モーター式でモーターアシスト機能のみ、実質マイルドハイブリッド的なホンダIMAを搭載していましたが、それでも車内スペースを犠牲にすることなく、ガソリン車以上の燃費を発揮しました。

2代目ではIMAから”SPORT HYBRID i-DCD”にハイブリッドシステムが更新、7速DCT(デュアルクラッチミッション。セミAT)に仕込んだ1モーター式ながら、クラッチでモーターとの接続 / 切断が可能。
これにより、モーターが不要な場合はガソリンエンジンのみで走行、減速時はエンジンと切り離しモーターと接続して発電、低速時はモーターのみ走行、全開加速時はエンジン+モーター双方を接続してハイパワー走行も可能と、本格ハイブリッドに近くなりました。

1モーター式なので発電と駆動(走行)が同時にできないのと、エンジンとモーターのクラッチ切り替えにタイムラグがある欠点はありますが、比較的安価なのと、機構的な制約が無いため、通常の機械式4WDにハイブリッドを組み込める利点があります。

そのため、このクラスのハイブリッドミニバンでは2018年4月現在唯一4WD車の設定があるのが、大きな特徴です。

フリードスパイク(初代)

モビリオに設定されていたレジャー用途向け2列シート車、モビリオスパイクの後継として初代フリードに途中から設定された2列シート派生車で、ハイブリッド車もあり。

フリード自体にも前期型には2列シート5人乗り仕様”フリードFLEX”がありましたが、フリードスパイクは2列目シートの格納方法が異なり、リアクォーターウィンドーを潰してサイドポケット化するなど違いがあります。

特に2列目シートはフリードFLEXの前方跳ね上げ式のダブルフォールディング式に対し、前方足元収納のダイブダウン式のため、床面高さでは劣るものの荷室長は2mを超え、タープなどオプションを加えれば2人が十分車中泊できるスペースをとれました。

フリード+(2代目)

フリードスパイクが2代目モデルチェンジ時に改名されたもので、外観上の特徴だったリアクォーターウィンドウを埋めた車内側ポケットは廃止されたものの、テールゲートは車椅子対応の福祉仕様車と同じくボディ下部まで大きな開口部を持ちます。

2列目シートのダブルフォールダウン格納機能も健在で、フルフラット化された荷室上にオプションのユーティリティボードを配置すれば2名用の車中泊スペース+床下収納スペースが現れるなど、機能面ではフリードスパイクを受け継ぎました。

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