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初代ホンダ・フリード(2008-2016)の買取相場

フリード 買取相場

昔からたびたび作られながらも、なかなかヒット作に恵まれなかった3列シートコンパクトミニバンというジャンルで、初めて大ヒットと呼べる実績を挙げたのが初代ホンダ・フリードでした。単なる1BOX車やトールワゴンの3列シート仕様という枠を超えた名車も現行へモデルチェンジして約4年になりますが、買取市場での評価はどうでしょう?

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3列シートコンパクトミニバン初のヒット作、初代ホンダ・フリード

コンパクトな3列シートミニバンというジャンルは意外と古いもので、1960年代にはパブリカのエンジンを積んだトヨタ・ミニエースコーチなど、既に現在でいう3列シートミニバンが登場していました。

1980年代に入るとスバルが軽1BOXのサンバーへジャスティ用エンジンを積んで3列シート化した「ドミンゴ」を開発し、軽自動車の新規格化(1998年10月)を契機にダイハツ(アトレー7)やスズキ(エブリイ+、エブリイランディ)、三菱(タウンボックスワイド)も同種の車を販売していきます。

さらに初代トヨタ・カローラスパシオ(1997年)や初代マツダ・プレマシー(1999年)など、当時流行していたFF乗用車ベースのロールーフミニバンでも1.5~1.8リッタークラスの3列シートコンパクトミニバンが開発されていきました。

しかし、それらは1BOXタイプだと車内スペースはともかく「あくまで軽商用1BOX車がベース」というチープさがあり、ロールーフミニバンタイプは「とにかく狭くて3列目シートはないよりマシな程度」と実用性が低く、特に後者は「5ナンバー枠いっぱいの全長4.7mを確保しないと、フロントにエンジンルームがある以上は有効なスペースを持つ3列シート車になりにくい」という定説を証明しただけで、実質的には2列+1列シート車というべきものです。

しかし、2000年代に入ると2000年前後に登場したトヨタ・ヴィッツやホンダ・フィットといった新世代のスペース効率に優れたコンパクトカーが登場、そのプラットフォームを使った3列シートのコンパクトミニバン登場に期待が高まります。

1番手となったのは初代フィットをベースにした「モビリオ」(2001年)で、全長約4mのコンパクトさながらハイルーフ化で高さ方向を稼ぐことで3列シート車としての実用性を確保。ヒット作とまではいえなかったものの、このジャンルの車でも3列シート車が実現可能な事を証明しました。

続いて2003年に登場した初代トヨタ・シエンタを経て2008年に登場したのが、2代目フィットをベースにステアリングラック以降の(つまりキャビン部分は丸々)プラットフォームを新造して合体させた初代フリードで、全幅拡大により3列目シートを3人掛けにしれ3列8人乗りを実現するなど、新時代のコンパクトミニバンとしてのコンセプトがウケて、同ジャンル初の大ヒット作となります。

初代フリードには3列シート車のほかに2列シート仕様グレードの「フレックス」も発売され、荷室をより有効に使いたい、あるいは車中泊で多用するユーザー向けに「フリードスパイク」へと発展(2010年)、そして2011年には「フリードハイブリッド」「フリードスパイクハイブリッド」も追加され、初期の3列シートコンパクトミニバンブームを牽引しました。

2016年には2代目「フリード」およびフリードスパイク後継「フリード+(プラス)」へとモデルチェンジしますが、4年前まで販売されていただけあって、まだまだ初代フリードも安価で実用性の高い中古ミニバンの選択肢として健在であり、街を走っている姿も数多く見かけます。

初代フリード・中古車販売価格の相場と流通台数は?

初代フリードには初期の1.5リッターガソリンエンジン(i-VTEC)を搭載した純ガソリンの2列/3列シート仕様「フリード」と、2010年以降に2列シート仕様を独立させた「フリードスパイク」、そして2011年以降は両車へフルハイブリッドシステムIMAを組み合わせたハイブリッド仕様が設定されており、それぞれの中古車販売価格の相場と流通台数を見てみましょう(2020年6月現在)。

初代フリード(2008.5-2016.9)

修復歴なし:0.1~214.8万円・1,689台
修復歴あり:1.5~159.8万円:27台

初代フリードハイブリッド(2011.10-2016.9)

修復歴なし:28.9~183.2万円・725台
修復歴あり:28.8~149万円・65台

フリードスパイク(20010.7-2016.9)

修復歴なし:9.8~167.2万円・369台
修復歴あり:13.5~138万円:49台

フリードスパイクハイブリッド(2011.10-2016.9)

修復歴なし:29~239万円・276台
修復歴あり:30~123.8万円・26台

人気車種だっただけに合わせて約3,000台以上が流通しており、8年ほど販売していたので初期の低年式車か末期の高年式車かによる価格の幅は大きく、初期モデルは車齢12年に達して間もなく車齢13年以上の重加算税対象になるため、中古車としてはかなり安価に購入することも可能です。

一方で2列シートのため使い勝手の面では一見して通常のフリードに劣り、ユーザー層も限られそうなフリードスパイクは車中泊やアウトドアユーザーを想定したキャンパーへの改装車も存在し、新しいカーライフを求めるユーザーにはかなり手頃な価格なのが大きな魅力となっています。

初代フリード・買取価格の相場と、年式、グレードごとの傾向は?

では、買取相場ではどのように評価されているのでしょうか?これも大手買取専門業者のサイトで買取実績が確認されたものを、年式やグレードごとの評価と合わせて紹介します。

まずは年式ごとの平均買取価格と平均残価率(オプション込み新車実勢価格に対する買取価格の割合)です。

初代フリード(純ガソリン車・初期の2列シートグレード「フレックス」含む)

2008年式:約14万円・約6%
2009年式:約14万円・約6%
2010年式:約17万円・約8%
2011年式:約18万円・約8%
2012年式:約34万円・約15%
2013年式:約48万円・約22%
2014年式:約61万円・約27%
2015年式:約65万円・約29%
2016年式:約84万円・約39%
総合:約27万円・約12%

初代フリードハイブリッド

2011年式:約53万円・約22%
2012年式:約30万円・約12%
2013年式:約59万円・約23%
2014年式:約60万円・約24%
2015年式:約71万円・約28%
2016年式:約95万円・約37%
総合:約64万円・約25%

フリードスパイク(2列シート車)

2010年式:約17万円・約7%
2011年式:約18万円・約8%
2012年式:約28万円・約13%
2013年式:約38万円・約17%
2014年式:約35万円・約15%
2015年式:約55万円・約25%
2016年式:約83万円・約35%
総合:約36万円・約15%

フリードスパイクハイブリッド

2011年式:約19万円・約7%
2012年式:約22万円・約9%
2013年式:約34万円・約13%
2014年式:約41万円・約16%
2015年式:約65万円・約25%
2016年式:約75万円・約29%
総合:約43万円・約17%

キャンパーや福祉車両への改装を受ければ付加価値も高まるフリードスパイクですが、やはり通常のフリードに比べ同年式では安価な傾向にあり、買取市場ではまず3列シートであるかどうかが評価され、2列シート車はカスタムベースに近い扱いに見えます。

面白いのはフリードにせよフリードスパイクにせよハイブリッド車が同年式の純ガソリン車より高価買取傾向にあることで、通常はシステムへの信頼性や走行用バッテリー経年劣化への懸念から価値が下落しがちのハイブリッド車が、フリードの場合当てはまらないのは経済性を重視するユーザーが他車より多いからでしょうか。

続いて大まかなグレードごとの平均買取価格と平均残価率です。

初代フリード(純ガソリン車)

フレックス(2列シート車):約14万円・約6%(※2011年10月廃止)
G(3列シート標準グレード):約40万円・約18%
Gエアロ(3列シート上級グレード):約23万円・約10%

初代フリードハイブリッド

ハイブリッド:約64万円・約25%(※2011年10月追加)

フリードスパイク(純ガソリン2列シート車・2010年7月登場)

C(廉価グレード):買取実績なし(※2011年10月廃止)
G(標準グレード):約35万円・約16%
Gエアロ(上級グレード):約37万円・約15%

フリードスパイクハイブリッド

ハイブリッド:約43万円・約17%(※2011年10月追加)

新しくとも9年落ちの低年式車しかないフリード「フレックス」が残価率低く、古くとも9年落ちのフリードハイブリッドは買取価格・残価率ともに高めというのは納得ですが、フリードスパイクやフリードスパイクハイブリッドの残価率が低めなのは、フィットハイブリッドとの差別化がキャンパーなどカスタムを受けないと明確にならないからかもしれません。

2列はカスタムベースと割り切り、3列ハイブリッドが高リセールバリュー

同ジャンル車の現行モデルでは2列シート車にアウトドア仕様やUD(ユニバーサルデザイン)タクシー需要という新たな価値を生み出していますが、初代フリード/フリードスパイクの時点ではまだキャンパーや福祉車両へのカスタムベース程度で、2列シート車そのものは買取市場で高く評価を受けていません。

それゆえ中古車市場ではソコソコの価格で売れつつ査定額は厳しい状況ですから、初代フリードでリセールバリューを狙って現時点で手放したいユーザー、あるいはこれから中古車で購入するユーザーは、高年式の3列シート車だと希望する結果を得やすいでしょう。

現状では意外に高い評価を受けているハイブリッド車ですが、他車種で純ガソリン車より低評価なのを考えると初代フリードでもいつかは価値が下落する可能性もあり、手放したい方は今のうちに査定に出してしまうのがベストです。

※中古車販売価格や買取相場は2020年6月現在の金額です。

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