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スズキ・ジムニーシエラ – スキマ需要を狙ったライバル不在の本格コンパクトクロカン、最新モデルで開花

ジムニーシエラ 査定

日本が世界に誇る軽オフローダー・ジムニーには初代から幾度となく発売された小型車版がありましたが、ユーザーからの熱い要望に応えた割には販売台数が少なく、常にジムニーに対し日陰者な「こんな車もあったかな」という存在なのは2代目末期に「ジムニーシエラ」と名付けられてからも同様でした。それが現行モデルではいかに元々の生産台数が少ないとはいえジムニーともども長い納車待ちを経ないと手に入らない人気車種の仲間入り!最初の「ジムニー8」以来の歴史を紹介します。

目次

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各代の概要と時代背景

初代ジムニー海外仕様を初めて日本でも販売したSJ20「ジムニー8」(1977-1982)

ジムニーシエラの始祖と言える小型車版ジムニーが国内で初めて販売されたのは1977年7月。

800ccのF8Aエンジンを搭載した海外仕様LJ80型をベースに日本の基準に適合するよう改めたSJ20型「ジムニー8」で、寸法はベースのSJ10型と同じながら最高出力で15馬力、最大トルクで0.8kgm高くパワフルになり、当然当時の軽自動車規格(360cc)を超えるエンジンだったため小型車登録となりました。

国内販売されたのはドアも含め幌型のSJ20F型「ジムニー8」、鋼製クローズドボディのSJ20VM型「ジムニー8バン」の2種類で、バンの方が耐候性に優れる代わりに車重は45kg重く後席も1名のみ、2名乗車時の最大積載量もジムニー8が250kg、ジムニー8バンが200kgと異なります。

海外仕様では後席の代わりに荷台としたピックアップトラック仕様のLJ80P型もありましたが、日本へは正規導入されていません。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ SJ20F ジムニー8 (幌) 1977年式
全長×全幅×全高(mm):3,170×1,395×1,845
ホイールベース(mm):1,930
車重(kg):715
エンジン:F8A 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
排気量:797cc
最高出力:30kw(41ps)/5,500rpm※グロス値
最大トルク:60N・m(6.1kgm)/3,500rpm※グロス値
60km/h定地走行燃費:15.5km/L
乗車定員:2(4)人
駆動方式:4WD
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F・R)リーフリジッド
中古車相場:皆無(車両本体価格・2020年8月現在)

ユーザーの期待に応えて登場!SJ40「ジムニー1000」(1982-1984)

1981年にモデルチェンジして2代目となったジムニーにも海外仕様SJ410型はありましたが、ジムニー8の販売台数が約5年で1,799台に留まったため当初後継車は販売されない予定だったものの、数は少ないながら海外仕様の国内販売を熱望する根強い声に応え、SJ40型「ジムニー1000」が1982年8月に発売されました。

その名の通りエンジンは排気量拡大された1,000ccのF10Aを搭載しており、550cc時代に入っていたベース車SJ30型に対して最高出力で23馬力、最大トルクで2.8kgmアップしており、1980年頃の第1次RVブームに乗ったカラフルでスポーティな外装や快適性に配慮された内装と合わせ、無骨なジムニー8とはだいぶ印象が異なっています。

なお、この代では国内向け歴代ジムニーで唯一、ピックアップトラック仕様も販売されており、通常のジムニー1000が6穴ホイールだったのに対しピックアップのみ5穴ホイールです。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ SJ40 ジムニー1000 ハーフメタルドア(FK) 1982年式
全長×全幅×全高(mm):3,355×1,465×1,680
ホイールベース(mm):2,030
車重(kg):805
エンジン:F10A 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
排気量:970cc
最高出力:38kw(52ps)/5,000rpm
最大トルク:80N・m(8.2kgm)/3,500rpm
60km/h定地走行燃費:15.4km/L
乗車定員:2(4)人
駆動方式:4WD
ミッション:4MT
サスペンション形式:(F・R)リーフリジッド
中古車相場:286万円(ピックアップのみ。車両本体価格・2020年8月現在)

排気量アップで強力になったJA51「ジムニー1300」(1984-1988)

排ガス規制に対応するため、1,324ccと1.3リッターをわずかに超える新エンジンG13Aを搭載したJA51型は「ジムニー1300」として1984年11月に発売。

ベースは2代目第2期モデルのJA71型ジムニーで、550ccのF5Aターボに対し自然吸気エンジンながら2倍以上の大排気量が効いて大幅に出力向上しており、カタログではパワーウェイトレシオの高さをアピールしていたほか、この型から初めて4人乗り乗用登録仕様のワゴンが登場しました。

ベース車同様に窓付きハイルーフボディの「パノラミックルーフ」仕様が追加されたほか、小型車版ジムニーとして初めての特別仕様車「ウィンターアクションスペシャル」が1986年10月に登場、軽自動車版では1989年11月の「ワイルドウインドリミテッド」が初でしたから、それに先んじての設定です。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JA51W ジムニー1300 ワゴン 1984年式
全長×全幅×全高(mm):3,355×1,465×1,700
ホイールベース(mm):2,030
車重(kg):830
エンジン:G13A 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
排気量:1,324cc
最高出力:51kw(70ps)/5,500rpm
最大トルク:105N・m(10.7kgm)/3,500rpm
10モード燃費:12.6km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)リーフリジッド
中古車相場:65~70万円(車両本体価格・2020年8月現在)

RVブームに乗って「ジムニーシエラ」として復活!初代第1期JB31(1993-1995)

1988年に新型小型オフローダー「エスクード」が登場したためジムニー1300は販売終了、しばらく途切れていた小型車版ジムニーでしたが、1990年代のRVブームで自動車メーカー各社とも投入できるRVはOEMであろうと売りたいという状況になり、スズキも1993年5月に「ジムニーシエラ」として小型車版ジムニーを復活させました。

今回は660cc時代に入った1990年登場の2代目第3期版JA11型ジムニーの北米仕様「サムライ」をベースとしており、仕向け地(販売国)によっては1,300cc以上の排気量では税制面などで不利なケースもある事から、1,298ccに抑えたG13Bを搭載。

ワイドトレッド化でオーバーフェンダーがつき、北米向けゆえ高速巡航向けにハイギアード化されたミッションなど単にジムニー1300の焼き直しではなく、後に3速AT車や1,000台限定の特別仕様車「エルク」なども追加されています。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JB31W ジムニーシエラ 1993年式
全長×全幅×全高(mm):3,470×1,545×1,670
ホイールベース(mm):2,030
車重(kg):970
エンジン:G13B 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
排気量:1,298cc
最高出力:51kw(70ps)/6,000rpm
最大トルク:102N・m(10.4kgm)/3,500rpm
10・15モード燃費:13.0km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)リーフリジッド
中古車相場:25~98万円(車両本体価格・2020年8月現在)

サスペンションやエンジン改良、快適性が向上した初代第2期JB32(1995-1998)

第2次RVブームの過熱で復活した小型車版ジムニー「ジムニーシエラ」ですが、ベース車が2代目第4期のJA11/JA22型へ変わったのに合わせてジムニーシエラも同じ改良を受け、1995年11月にJB32型となりました。

最大の変更点はジムニー8以来前後リーフリジッドだったサスペンションが3リンク+コイルスプリングとなった事で、昔ながらのジムニーファンからすると「軟派」な改良だったかもしれませんが快適性や操縦性は向上、オンロード走行がほとんどの一般ユースでも扱いやすくなっています。

また、エンジンも同じG13Bながら16バルブ化されて出力や燃費が改善されており、軽自動車版ジムニーより長距離高速巡航性能などに優れる小型車版ジムニーにメリットがより明確になったのです。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JB32W ジムニーシエラ 1995年式
全長×全幅×全高(mm):3,510×1,545×1,670
ホイールベース(mm):2,030
車重(kg):960
エンジン:G13B 水冷直列4気筒SOHC16バルブ
排気量:1,298cc
最高出力:63kw(85ps)/6,000rpm
最大トルク:106N・m(10.8kgm)/3,000rpm
10・15モード燃費:13.8km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)3リンクリジッド+コイルスプリング
中古車相場:25~118万円(車両本体価格・2020年8月現在)

新規格ジムニーに先行して登場したJB33/JB43「ジムニーワイド」(1998-2002)

1998年10月に軽自動車が現在まで続く新規格へ移行、衝突安全性能に優れた一回り大きいボディとなりますが、新規格軽自動車ベースの小型車にはいくつか先行販売されたものがあり、ジムニーシエラもひと足早く1998年1月にモデルチェンジしました。

ただしこの頃のスズキは「ワゴンRワイド」など軽自動車ベース小型車に「ベース車名+ワイド」あるいは少し後に「ベース車名+プラス」と名付ける傾向があり、ジムニーシエラも最初はJB33型「ジムニーワイド」としてデビューします。

ボディは同年10月にデビューするJB23型ジムニーそのものでしたがオーバーフェンダーでワイドトレッド化され前後バンパー大型化、フロントデフキャリアはジムニーのアルミ製と異なり鋳鉄制、そしてもちろん先代にあたる初代ジムニーシエラから受け継いだ1,298ccのG13Bエンジンを搭載し、4速ATにもロックアップ機構が設けられていました。

なお、2000年4月に新型のDOHCエンジンM13A(1,328cc)へ更新するマイナーチェンジを受けています。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JB33W ジムニーワイド JZ 1998年式
全長×全幅×全高(mm):3,550×1,600×1,705
ホイールベース(mm):2,250
車重(kg):1,010
エンジン:G13B 水冷直列4気筒SOHC16バルブ
排気量:1,298cc
最高出力:63kw(85ps)/6,000rpm
最大トルク:111N・m(11.3kgm)/4,500rpm
10・15モード燃費:14.6km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)3リンクリジッド+コイルスプリング
中古車相場:29.8~130万円(車両本体価格・2020年8月現在)

車名を「ジムニーシエラ」へ戻した2代目JB43(2002-2018)

2年ほどジムニーワイドとして販売された小型車版ジムニーでしたが、2002年4月に「ジムニーシエラ」へと車名を戻して再出発。ただし内容はほぼそのままだったため型式は変わらず、JB43型は初期のジムニーワイドとそれ以降のジムニーシエラ、2種類があります。

2004年10月にトランスファー切り替えが手動のレバー式から電気スイッチへ更新される改良を受けて以降、基本的に同時代のジムニーと同じ改良、同じような特別仕様車の販売が続き、2014年8月以降はベースグレードと特別仕様車「ランドベンチャー」の2本立てラインナップでジムニーともども2018年まで長期間販売されました。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JB43W ジムニーシエラ 2000年式
全長×全幅×全高(mm):3,550×1,600×1,705
ホイールベース(mm):2,250
車重(kg):1,060
エンジン:M13A 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,328cc
最高出力:65kw(88ps)/6,000rpm
最大トルク:118N・m(12.0kgm)/4,000rpm
10・15モード燃費:14.0km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)3リンクリジッド+コイルスプリング
中古車相場:29~210万円(車両本体価格・2020年8月現在)

和製小型Gクラスとして人気モデルへ!3代目JB74(2018-)

3代目ジムニーシエラは2018年7月に登場、ジムニーワイドから通算すると本家ジムニーより長い20年半ぶりのモデルチェンジとなり、全てが一新されました。

海外仕様ジムニーの国内版なのは変わりませんが、メルセデス・ベンツ・Gクラスを思わせる四角くゴツゴツした無骨な軍用車両風フォルムはオーバーフェンダーや大型前後バンパー装着でより「それらしく(Gクラスへソックリ)」になっています。

横滑り防止装置や各種エアバッグ、運転支援システム搭載で重くなったボディにジムニーの660ccターボエンジンはさすがに非力さを感じますが、ジムニーシエラは先代より排気量アップした1.5リッターの新型エンジンK15Bを搭載して高速巡航も難なくこなし、実用性の面で明らかにジムニーへの優越を感じるようになりました。

そのため先代までどちらかというとニッチなマニア向け商品だったジムニーシエラへの注目が高まり、日本向け生産台数の割当が少なかったため納車待ちが最大2年に達してちょっとしたブームが到来します。

ただし販売台数の限定されたスペシャルモデルなどと同じく、実際には各地の販売店が業販で仕入れた在庫車(新車)や展示車、登録済み未使用車などを抱えており、ディーラーからの購入にこだわらなければ即納も可能などブームになった車らしい現象も起きており、中古車情報サイトなどでは在庫が増え続けている事から、一時より「買いにくい車」ではなくなりました。

(代表スペックと中古車相場)
スズキ JB74W ジムニーシエラ 2020年式
全長×全幅×全高(mm):3,550×1,645×1,730
ホイールベース(mm):2,250
車重(kg):1,070
エンジン:K15B 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,460cc
最高出力:75kw(102ps)/6,000rpm
最大トルク:130N・m(13.3kgm)/4,000rpm
WLTCモード燃費:15.0km/L
乗車定員:4人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F・R)3リンクリジッド+コイルスプリング
中古車相場:209~388万円(車両本体価格・2020年8月現在)

各代の主な新装備

ジムニー8

・新型797cc直列4気筒SOHC8バルブエンジン「F8A」

基本的にはほぼ初代ジムニーそのものだったジムニー8で目立つ新装備といえば、何と言ってもスズキ初の自動車用4サイクルエンジンF8Aです。

通常はOHVやSV(サイドバルブ)で経験を積みSOHCへ移行するところ、最初からSOHCエンジンを作ったのがスズキの特異なところですが、この海外向けジムニー用に開発されたエンジンは見事成功し、後に3気筒化されて軽自動車用に、4気筒エンジンも小型車用にと発展していきます。

ジムニー1000

・新型970cc直列4気筒SOHC2バルブエンジン「F10A」
・6穴ホイール

ジムニー8同様に2代目第1期ジムニーそのもので、前後バンパーやオーバーフェンダーで寸法を拡大、ピックアップトラック仕様のホイールベースが異なる程度だったジムニー1000では、F8Aのボア・ストロークともに拡大して初代セルボの海外仕様向けに開発されたF10Aを搭載しました。

また、オーバーフェンダーゆえにより幅の太いタイヤを履けるジムニー1000のホイールをジムニーへ流用できないよう監督官庁から指導が入り、5穴のジムニーと異なる6穴ホイールが採用されています。

ジムニー1300

・1,324cc直列4気筒SOHC8バルブエンジン「G13A」
・フロントディスクブレーキ
・パノラミックルーフ

排ガス規制をクリアしつつ必要なパワーを得るため、排気量の大きいカルタス用1,324ccエンジンG13Aを搭載、ジムニー1000まで4輪ドラムだったブレーキはフロントにディスクブレーキが採用されています。

ジムニーにも採用された窓付きハイルーフの「パノラミックルーフ」はジムニー1300が先に設定しており、ジムニーの方が後追いでした。

ジムニーシエラ初代第1期(JB31W)

・1,298cc直列4気筒SOHC8バルブエンジン「G13B」
・3速AT
・5穴ホイール
・フロントグリルガード

初めてジムニーシエラを名乗ったJB31Wでは1,300cc以内へ収まり、燃料供給方式もキャブレターからインジェクションへと変わったG13Bへエンジンを更新し、それまで4速や5速MTだったミッションに3速ATを追加。

規制緩和によりジムニー同様の5穴ホイールへ戻ったほか、RVブームに装着するのが流行ったゴツいフロントグリルガードが装着されていました。

ジムニーシエラ初代第2期(JB32W)

・1,298cc直列4気筒SOHC16バルブエンジン「G13B」
・前後3リンクリジッド+コイルスプリングサスペンション
・ドライブアクション4X4システム(エアロッキングハブ)

初代ジムニーシエラのマイナーチェンジ版JB32Wでは、同時期のJA11/22ジムニーと同じくサスペンションが前後リーフリジッドから3リンクリジッド+コイルサスペンションへ更新され、初代からのリーフスプリング(板バネ)と決別。

さらにドライブアクション4X4システムと呼ばれた4WDシステムはトランスファーレバー操作で2WDにするとフロントのハブがフリーになる「エアロッキングハブ」を採用しており、イージードライブ、良好な操縦性、快適性の向上といった、外観は無骨でも一般ユース向きRVとしての要素を固めています。

エンジンは型式こそ前期と同じG13Bですが、SOHC16バルブ化でパワー、燃費ともに向上するとともに制御が緻密となり、燃費向上にも一役買っていました。

ジムニーワイド(JB33W/43W)

・4速AT
・1,328cc直列4気筒DOHC16バルブエンジン「M13A」
・4輪ABS
・デュアルエアバッグ
・プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルト

名前を戻す前の4年ほど「ジムニーワイド」で売っていた時期、エンジンは基本先代から踏襲しつつATが3速からロックアップ機構付き4速へと進化、さらに改良で4輪ABSが標準装備。

新型のDOHCエンジンM13Aへ更新されたマイナーチェンジでは、デュアルエアバッグやプリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトなど安全装備も充実して、だんだん近代的な車へと変化していきます。

ジムニーシエラ2代目(JB43W)

・トランスファー切り替えスイッチ(2005年11月)
・横滑り防止装置&トラクションコントロール(2014年8月)

車名が戻ってからの2代目ジムニーシエラは2018年までの長いモデルライフで大幅な変更点は少なく、走行中にトランスファーの2WD-4WD(4H)を切り替える際、従来のレバーを使う機械式からスイッチ操作の電気式へと変更。

さらに保安基準で標準装備が義務付けられた、横滑り防止装置&トラクションコントロールが追加されています。

ジムニーシエラ3代目(JB74W)

・新型1,460cc直列4気筒DOHC16バルブエンジン「K15B」
・ブレーキLSDトラクションコントロール
・運転支援システム「スズキセーフティサポート」

最新の3代目JB74Wジムニーシエラでは、姿形こそ大きく変わったものの基本メカニズムは初代ジムニーシエラ後期から大きく変わらず、トランスファー2WD-4WD(4H)切り替えなど、むしろ2代目ジムニーシエラ初期のレバー式へと先祖帰りしています。

それでも新装備と言えばまずは1.5リッター級へ排気量拡大されて余裕を増した新エンジンと、大きな目玉は数々の電子制御デバイス。

滑りやすい急な下り坂も一定の低速を維持して安全に降りられる「ヒルディセントコントロール」や、空転するタイヤにだけブレーキをかけスタックからの脱出を担う「ブレーキLSDトラクションコントロール」によって、ある程度までの悪路なら機械式LSDなど本格的な装備を不要にしています(ただし電子制御での悪路走破性はクロスオーバーSUV並ですが)。

また、運転支援装備をパッケージ化した「スズキセーフティサポート」では、単眼カメラとレーザーセンサーによる衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」や、誤発進防止、標識認識機能、ふらつき防止機能などが追加されており、初歩的なセンサーながらジムニーもついに運転支援システムが当たり前になったかと、時代の流れをを感じる装備です。

派生車種

ジムニー1000ピックアップ(通称:ジムトラ)

歴代ジムニーで唯一、国内向けに販売されたピックアップトラック仕様で、通称「ジムトラ」と呼ばれるモデルがジムニー1000にはありました。

ホイールベースを延長、ジムニーでは屈指の積載性を誇る荷台を持つシングルキャブトラックでしたが、2名乗車しかできず積載性は軽トラ並となると軽トラを買った方が早く、日本では321台しか売れなかったと言われる珍車扱いで、以後国内向けジムニーシリーズでピックアップ仕様が販売されていません。

各種海外仕様

そもそも小型車版ジムニーは軽自動車規格と関係ない海外向けジムニーをベースとしており、軽自動車の枠を超えた排気量のエンジンを搭載し、前後バンパーやフェンダーも軽の枠にとらわれないため小型車登録となっています。

古くからオーストラリア仕様の「シエラ」や北米仕様の「サムライ」などの名で販売されており、新興国では1990年代末期までジムニー1000やジムニー1300が生産されるなど、日本より息の長かったモデルもありました。

現行モデルでは「ジムニー」へ統一されており、海外市場メインの車なら海外名に合わせる例は最近増えたもののジムニーは逆で、今や世界中で活躍していても日本の車だと実感できる、数少ない例となりました。

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