現在の『Nシリーズ』に集約される以前、スズキ ワゴンRに始まった流行の軽トールワゴンをホンダでも開発、かつての名車N360後継モデルの名をつけて大ヒットとなったのがライフでした。新ライフは4代にわたりホンダ軽自動車の屋台骨を背負うモデルとして販売が続けられますが、2014年に販売終了。後継車はN-WGNなどNシリーズとなり、Nを受け継いだライフは、復活後再びNへとそのバトンを受け継いだのです。
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各代の概要と時代背景
総合概要:『N』の後継車だった初代と、復活して『新N』へバトンタッチした2代目以降
1967年に発売されたホンダ N360は、スバル360(1958年発売)以降に本格的な普及が始まった軽乗用車において、空冷2気筒4サイクルSOHCで31馬力を発揮するハイパワーエンジンを搭載して大ヒットとなった、革命的な軽自動車でした。
いかにもホンダらしいハイパワーでスポーティ、かつコンパクトで実用性の高かったN360を脅威に感じたライバル各社は第1次軽自動車パワーウォーズを勃発させ、360ccという当時の軽自動車の枠内で最終的には最大40馬力にまで達します。
しかし、当のホンダはN360の性能で十分とばかりにパワー競争には加わらずオートマ車の追加など実用性を高める方向に進み、後継車として登場したライフもツインキャブ版こそ36馬力を発揮したものの、水冷エンジンのマイルドな性格でした。
しかし、ライフ登場時点で軽自動車は保安基準の刷新による高価格化、車検の義務化、軽自動車免許の廃止などで市場が縮小する逆風状態だった一方、ホンダは社運を握る新型車シビック(初代)に全てを賭けるため、シビックと軽トラ(TN)以外の生産終了を決断。
ライフステップバンやライフピックアップなどの派生車ともども1974年にライフの生産は終わり、3年ほどの短命で終わりました。
その後ホンダは初代トゥデイ(1985年発売)で軽乗用車市場に復帰、2代目トゥデイ(1993年発売)をベースに、空前のヒット作となったスズキ ワゴンR(1993年発売)で流行となった軽トールワゴンへ『ライフ』の名を復活させ、1997年に発売します。
これがヒット作となってホンダは背が低く流行に乗り遅れていたトゥデイを廃止、軽乗用車をライフに一本化して代を重ねることとなり、ゼストやザッツといった派生車種を生みつつホンダ軽自動車販売の中核を担いました。
しかし、ダイハツ タントなどの登場で軽自動車にスペース効率や個性がより豊富に求められるようになるとライフはややインパクト不足で販売が伸び悩むようになり、起死回生を狙ったホンダは軽自動車ラインナップの一新を決断。
N-BOX(2011年発売)やN-ONE(2012年発売)といった新たな『Nシリーズ』がN360(1972年販売終了)以来約40年ぶりに復活、ライフもしばらくは5代目が併売されましたが、N-WGN(2013年発売)を後継として2014年に販売終了。
Nの光景として生まれたライフは、中断期間を経て復活後、再びNにバトンを託す形で眠りにつきました。
水冷版N360、そして初代シビックの基礎とも言えた初代SA/WA(1971-1974)
ホンダで初めて『ライフ』を名乗る軽自動車が発売されたのは1971年6月、それまでハイパフォーマンスを売りにしていたN360(1967-1972年)の後継としてでした。
基本的には空冷エンジンだったN360の水冷版というべきモデルで、それまでN360やホンダ 1300、果てはF1まで「どのみち冷却液の入ったラジエターを空気で冷やすなら、最初から空冷の方が合理的だ」というホンダ創始者・本田 宗一郎の路線から転換。
現実的で信頼性も高く軽量、重量バランスにも優れて騒音や振動も少なく、ラジエターの排熱を使ったヒーターはオイルの匂いなども入らないなど、技術偏重の極端な高性能より、ユーザーのための実用性や快適性の高さを狙った、初のホンダ車だったと言えます。
2ドアセダン、または3ドアバンのみだったN360に対し、独立トランクつきの2 / 4ドアセダン、またはテールゲートを持つ3ドアバン / ワゴンをラインナップし、現在の軽トールワゴンの元祖的なステップワゴンや、ピックアップトラックもラインナップしていました。
エンジンはシングルキャブ30馬力か、デュアルキャブ36馬力の2種類。
360cc時代の軽自動車としてはバランスのとれた完成度の高い1台でしたが、折しも1972年には4輪自動車メーカーとしてホンダの社運がかかった初代シビックが発売。
それまで『軽便な自動車』として車検の有無や保安基準の緩さ、軽自動車免許の存在など軽自動車の優遇策がほぼ無くなったことで軽自動車市場が縮小していたことや、シビックの生産に集中するため軽トラックTN360を除く全車の生産終了が決定。
初代ライフも1974年、わずか3年ほどで惜しまれつつもその短いモデルライフを終えました。ホンダが軽乗用車に復帰するのはその11年後、初代トゥデイを発売した1985年です。
(代表スペックと中古車相場)
ホンダ SA ライフ 4ドアデラックス 1971年式
全長×全幅×全高(mm):2,995×1,295×1,340
ホイールベース(mm):2,080
車重(kg):510
エンジン:EA 水冷並列2気筒SOHC4バルブ シングルキャブレター
排気量:356cc
最高出力:30馬力 / 8,000rpm
最大トルク:2.9kgm / 6,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4MT
燃費(km/L):28(※60km/h定地走行燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):25万円~89.9万円(ステップバン、ピックアップ含む)
トゥデイベースで軽トールワゴン化し復活、大ヒットとなった2代目JA4(1997-1998)
再びライフの名が復活したのは1997年3月、発売と同時に空前のヒットとなった初代スズキ ワゴンRを各社が追いかける中、初代ダイハツ ムーヴに続く2台目のフォロワーとして登場しました。
基本的には初代ムーヴと同じく、ベースとなる軽セダン(ホンダの場合は2代目トゥデイ)のプラットフォームや既存部品で使えるものは極力流用して作られた急ごしらえ的なモデルです。
当時のホンダには軽自動車用ターボエンジンが無かったため、ベース車より大幅に車重が増加したにも関わらずターボ無しのNAのみ、しかもトゥデイやビート用の高回転高出力型MTRECエンジンも無く実用エンジンのみだったため、動力性能は凡庸でした。
しかし、「ワゴンRのような車をホンダが作ってくれた!」というインパクトと、オデッセイやステップワゴンで『ミニバンのホンダ』も定着していたこともあってユーザーには歓迎され、発売とともに大ヒットとなります。
発売時期が翌年の軽自動車規格改正(いわゆる『新規格』)を目前にした時期だったため、最低限のマイナーチェンジで継続生産されると思われましたが、大ヒットもあり1998年10月の規格改正と同時にモデルチェンジを受け、わずか1年半の生産に留まりました。
(代表スペックと中古車相場)
ホンダ JA4 ライフ T Type 1997年式
全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,635
ホイールベース(mm):2,330
車重(kg):780
エンジン:E07A 水冷直列3気筒SOHC12バルブ
排気量:656cc
最高出力:48馬力 / 6,300rpm
最大トルク:5.8kgm / 5,500rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:3AT
燃費(km/L):16.6(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):1.9万円~47.3万円
大ヒットにより新規格化でリニューアル!ターボも登場3代目JB1/2/3/4(1998-2003)
2代目の大ヒットで『軽乗用車の売れ線』が確定し、継続生産の噂を覆す形で1998年10月に3代目へとモデルチェンジ。
2代目トゥデイの名残があった先代に対してホイールベースを含む全ての寸法が1回り大きくなるとともに、AT車はコラムシフト化されて前席足元が広くなるなど、ライバル車ともども本格的な軽トールワゴンとしてワゴンRを追撃します。
ホンダ軽自動車の主力車種へと昇格したことで4WDの追加や装備面での充実も図られ、不満のあった動力性能も2000年12月に追加されたスポーティな派生モデル、ライフダンクにターボ車を設定したことで解消。
エンジンは低排出ガス仕様で低回転トルクを重視して実用性や燃費性能を高めたE07Zに更新されたほか、ダンク用のターボエンジンは、ホンダの小排気量エンジン用ターボとしては初代シティターボ以来となりました。
また、装備を充実した特別仕様車『メヌエット』(後にカタログモデル化)や『スーパートピック』、専用色を含むボディカラーを充実させた特別仕様車『トピック』の登場で、幅広いユーザー層からの支持を獲得しています。
(代表スペックと中古車相場)
ホンダ JB1 ライフ T 1998年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,605
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):830
エンジン:E07Z 水冷直列3気筒SOHC12バルブ
排気量:656cc
最高出力:50馬力 / 7,000rpm
最大トルク:6.2kgm / 4,500rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:3AT
燃費(km/L):17.4(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):0.1万円~59.8万円
女性をメインターゲットにした4代目JB5/6/7/8型(2003-2008)
女性を主要ターゲットとして『ハートフルテクノロジー』を開発コンセプトに掲げた4代目は、2003年9月にモデルチェンジを受け発売。
先代のスポーティ版ライフダンクは『各グレードに動力性能に余裕あるターボ車を設定』という形で発展的に解消します。
先代までのややカクカクしたデザインから、つり上がったアーモンド型のヘッドライトを含め全体的に丸みを帯びたワンモーションフォルムに変更されて柔らかい印象になり、営業車を思わせる廉価グレードも廃止されるなど主要ユーザー層に合わせた改良を徹底しました。
それに伴いMT車が廃止されて全車ATとなり、先代までの高速巡航向きでは無かった3速から電子制御4速ATへと進化、コラムシフトからインパネシフトになって直感的な操作もしやすくなっています。
また、特徴的だったのが『マルチアングルドアハンドル』と呼ばれた、どの方向からアクセスしても操作しやすい丸型のアイタードアハンドル(ドアノブ)でしたが、あまりに丸すぎてドアノブらしからぬと評価はイマイチで、後期型では形状がやや変わりました。
(代表スペックと中古車相場)
ホンダ JB7 ライフ Dターボ 2004年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,580
ホイールベース(mm):2,420
車重(kg):880
エンジン:P07A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ ツインプラグ位相点火 ICターボ
排気量:658cc
最高出力:64馬力 / 6,000rpm
最大トルク:9.5kgm / 4,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):18.2(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):0.1万円~85万円
ファッション性やスペース効率を高め、視界も改善した5代目JC1/2型(2008-2014)
初代ダイハツ タント(2003年発売)の登場で軽乗用車はトールワゴンよりルーフが高くヘッドスペースに余裕があり、子供なら車内で立てるほどの低床・高スペース効率のハイトールワゴンが売れ筋となります。
しかし、従来型のトールワゴンがかつての軽セダンに代わってベーシックグレード化していたこともあり、引き続きホンダ軽自動車の主力モデルとして2008年11月にライフは5代目へとフルモデルチェンジしました。
ルーフ高を上げて車内スペースに余裕を持たせながらも軽量化を実現、フロントピラーを細く、フロントワイパー位置や着座位置の見直し、リアクォーターウィンドウ採用による6ライト化で視界を大きく改善するなど、「運転しやすさとスペースの余裕」が主眼です。
標準型とスポーティな『ディーバ』、ファッショナブル路線の『パステル』とデザインやキャラクターの異なる3種類のモデルを用意し、プラットフォームも一新するなど気合の入ったモデルチェンジとなっています。
ただし、軽自動車の売れ筋は既に低回転で高効率を実現するエンジンやCVTを搭載して経済性が高く、よりルーフが高くスライドドアも装備して狭い場所での使い勝手にも優れた高付加価値モデルに移行、5代目ライフは「ややトレンドを外した」印象は否めませんでした。
そのため販売実績としてはかなり苦戦しますが、思い切った『新Nシリーズ』への転換までつなぎ的存在として販売続行され、直接の後継となるN-WGNが発売されて後、2014年4月で販売を終えています。
(代表スペックと中古車相場)
ホンダ JC1 ライフ DIVAターボ 2008年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,635
ホイールベース(mm):2,420
車重(kg):870
エンジン:P07A 水冷直列3気筒SOHC6バルブ ツインプラグ位相点火 ICターボ
排気量:658cc
最高出力:64馬力 / 6,000rpm
最大トルク:9.5kgm / 4,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):19.6(※10.15モード燃費) / 17.6(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):0.1万円~99.8万円
各代の新装備
N360より延長したホイールベースで4ドア化を可能にした初代
ハイパワーエンジンを搭載したホンダらしいスポーティな軽乗用車、N360でしたが、結果的に実用性を無視してパフォーマンスだけを追求した過度のパワーウォーズを招きます。
ホンダとしてもこれは不本意だったようで、N360時代に独自のAT(オートマ)を実用化してイージードライブ実現などを目指したほか、後継となった初代ライフは徹底したファミリー志向を目指しました。
「ホンダらしさ」にこだわるユーザー向けにデュアルキャブの36馬力ハイパワーエンジンも後には設定しましたが、基本はパワーウォーズに迎合しない30馬力、廉価版のライフ・タウンでは21馬力エンジンを搭載し、「これで十分」とアピール。
さらにファミリー志向が現れていたのはホイールベースで、N360より延長したことでマツダ キャロル(初代)以来となる4ドアセダンの設定が可能となり、軽乗用車とは本来どういう車であるべきかを思い出させてくれる車でした。
バモスと共に、ホンダにターボエンジンを復活させた3代目
ライフの車名が復活した2代目はトゥデイのコンポーネントを流用して特に新規なメカニズムの無い暫定版でしたが、本格的なワゴンRフォロワーとしてデビューした3代目では、2代目や3代目初期で「ライバルにあるターボが無い」という不満を解消します。
それが2000年12月にデビューしたライフダンク用のターボエンジンで、同年2月に1BOX軽ミニバン、バモスに追加されたものと同じE07Zターボが搭載されました。
ホンダの市販車用ターボエンジンは1990年まで生産された初代レジェンド、コンパクトカーなど小排気量用としては1986年までの初代シティ以来であり、FFターボとしては約14年ぶりの復活です。
ダンクにはこのほか、大径ベンチレーテッドブレーキやEBD付きABS、4灯式マルチリフレクターヘッドライト、タコメーター、専用スポーツサスペンションなどが標準装備され、FF車には前後スタビライザーが装備されるなど、歴代ライフ中でもかなりスポーティでした。
また、ATはコラムシフト化されたため、前席左右間でのウォークスルーが可能になっています。
新エンジンのほか、簡易型の駐車支援装置をオプション設定した4代目
4代目ではエンジンをそれまでのSOHC4バルブのE07ZからSOHC2バルブのP07Aへ変更、メカニズム面で退化したようにも見えますが、実際には1気筒あたり2つのプラグを備え(ツインプラグ)状況に応じて最適な点火を行うものです。
ショートストローク化とともに、「軽自動車は高回転を多用するので、高回転域での効率を高める」という狙いでしたが、ライバル各社は同時期にCVT(無段変速機)と組み合わせて低回転でも効率の良い低燃費エンジンを開発しており、その逆を狙った形となります。
結果的にホンダも後にNシリーズで同じ方針を採用したため、P07Aは登場直後に旧式化してしまい長くは使われませんでしたが、独自路線を狙いたいホンダらしいエンジンであり、重厚感ある乗り味も含め、走りそのものは高い評価を受けました。
また、2006年9月のマイナーチェンジでは 『Hondaスマートパーキングアシスト・システム』を一部グレードにオプション設定。
あくまで音声案内のみの簡易版とはいえ、バックで駐車する時にステアリング操作を音声でアシストするという、現在の駐車支援システムの初歩的なもので、女性ユーザーをメインターゲットとした4代目ライフらしい装備と言えます。
駐車支援装置はハンドル操作まで対応した5代目
スペース効率や経済性狙いのライバルに対し、運転のしやすさで勝負した5代目ライフは『Hondaスマートパーキングアシスト・システム』をさらに強化し、バックモニター付きオーディオを活かし視覚的にも、そして前後進でステアリング操作も可能になりました。
軽自動車のように元から小回りの効く車種で、「いくら何でもそこまでの装備が必要なのか」と、当時は疑問に思う声もありましたが、今や当たり前のように装備されているのを見ると、ホンダの先見の明だったと言えます。
派生モデル
ライフステップバン(初代)
1972年に初代ライフをベースとして発売された1BOX車で、FF、低床、可能な限りエンジンルームは小さく、キャビンスペースは「徹底した箱型」とした、今の軽トールワゴンでは当たり前のレイアウトを、初代ワゴンRより21年早く実現したオーパーツ的な車です。
むしろホンダがなぜワゴンRに後のブームでの先行を許し、トゥデイをベースにステップバンを作らなかったのか不思議になる車で、N-BOXである程度コンセプトは復活しましたが、真の意味での復活は2018年デビュー予定のN-VANを待たねばいけません。
ライフピックアップ(初代)
これもFF車ベースのピックアップトラックという意味ではスズキ マイティボーイ(1983年発売)に先んじること10年、1973年に発売された驚きの車です。
マイティボーイのようにスポーツトラック風では無く純然たる実用車だったため、FFならではの積載量の少なさなどでヒット作とはなりませんでしたが、ホンダが1974年にTN360を除く軽自動車の生産をやめていなければ、その後の軽自動車はだいぶ違っていたかもしれません。
N-VANにはピックアップトラック版登場の噂はありませんが、復活を待たれる1台です。
ザッツ(3代目)
3代目ライフをベースに、『モノ感覚』を狙ったという四角いボディを与えたのがザッツでした。
ライフよりも趣味性の高いモデルという位置づけでしたが、コンセプトやキャラクターの違いが明確に理解されたとは言い難く、ボディを角張らせるにしても角を落として丸みをつけるなど、外観からはスペース効率が高そうに見えずに損をしていたかもしれません。
後に2代目N-BOXが初代より角を落とした形で登場し、ザッツを覚えている人は既視感を感じました。
ゼスト(4代目)
ザッツの後継として4代目ライフをベースに開発、車内高が高く使い勝手は初代タントなどハイトールワゴンに劣らないことをアピールしました。
しかし、軽自動車で初めてサイドカーテンエアバッグを搭載するなど高い衝突安全性能を狙った結果、ショルダーラインが非常に高く小さい窓からはスペース効率の高さが伺いにくく、せっかくのスペース効率の高さをアピールしにくいというザッツ同様のデメリットが生じます。
アグレッシブなフロントマスクを持つ純正カスタム版ゼストスパークの追加など、当時のホンダとしてはかなりデザイン面でも攻めた車でしたが販売は不振であり、その教訓を生かしたN-BOXの大ヒットでようやくホンダの軽自動車は息を吹き返しました。
後継車Nシリーズとの関係と中古車相場
最後の5代目ライフおよび最後の派生車ゼストは、2011年から順次N-BOXなどNシリーズに置き換えられ、2014年4月のライフ生産終了で完全にNシリーズへと移行しました。
ハイトールワゴンのN-BOXがゼストの後継、トールワゴンのN-WGNおよびセミトールワゴンのN-ONEがライフの後継という形になり、バモスなどアクティベースの軽1BOX車もN-VANに置き換えられます。
Nシリーズ、特にN-BOXやN-WGNは軽トールワゴンから大型ミニバンまで流行のアグレッシブな顔つきをしており、メッキパーツが多いほど新車が売れるという状況でN-BOXもそのブームにうまく乗っています。
ただ、そうした『純正カスタム風』を好むユーザーばかりではないのも事実で、2代目で軽トールワゴンとして復活して以降の歴代ライフは、程度のいいものであれば今でも中古車市場では人気です。
派手でアグレッシブになる前のホンダ車らしいスマートさや柔らかさを持ちつつ、スペース効率に優れた軽自動車を求めるユーザーにとっては、依然として魅力的な車と言えます。
電話を使わない全く新しい車買取・一括査定アプリ【ストリマ】は、車一括査定サイトの課題であった、電話を使うことをなくした業界初のサービスになります。
一括査定サイトを利用したユーザーの75%が、たくさん電話がかかって来る事を負担に感じています。一方、電話をかける買取店も電話をかける事を負担に感じており、電話を使うことは双方の負担になっていました。
ここ来て!査定は業界初の、電話を使わない仕組みを実現することで、電話がたくさんかかってくることはありませんし、電話をかける必要もなく、双方の負担がなくなる新しい仕組みです。