モコ 査定
今でこそ当たり前のように軽自動車を売っている日産ですが、実は本格的に販売を始めてから20年とたっていません。1960年代に傘下に置いたコニー(愛知機械工業)の軽自動車や2000年から少しだけ販売したハイパーミニを除けば初の量販車、日産 モコはスズキからMRワゴンのOEM供給を受けて2002年から2016年まで販売、『日産の軽自動車』を定着させる重要な役割を果たしました。
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各代の概要と時代背景
総合概要:『日産の軽自動車』を確立させたモコ
1990年代が終わろうとする頃、日産は深刻な経営危機にありました。
1980年代に『1990年代に技術で1番になる』ことを目指した901運動に基づく新規開発モデルが1990年前後に大ヒットを記録したものの、それらの次期モデルはバブル景気の中で校長が続く日本経済を前提に開発したため、全滅に近い販売台数激減に見舞われたのです。
もちろん、日本経済が奈落の底に落ちたバブル崩壊期、どのメーカーも大なり小なり同じような苦難に直面しましたが、そうした時代に適合したヒット作を開発できたメーカーから危機を脱していたような時代でした。
日産も他社のヒット作を追いかけてフォロワーとなる車を発売しますがうまくゆかず、ついには1999年、フランスのルノーと資本提携を結び、ルノー日産連合という形で生き延びることになります(2018年7月現在のルノー日産三菱連合)。
ルノーから再建役として派遣され、日産のCEO(最高経営責任者)となったカルロス・ゴーンは再建策となる日産リバイバルプランを立てますが、同時に軽自動車市場への参入を示唆していました。
ほとんどの車で収益が上がらない中、コンパクトカーのマーチやキューブが数少ない善戦している車種だったので、そこに可能性を見出したわけです。
そして2001年、スズキからの軽自動車OEM供給を受けることが決定した時、日産は最初ワゴンRを望みましたが果たせず、代わりに1999年の東京モーターショーでミッドシップ軽トールワゴンとして展示されていたMRワゴンの供給を打診されました。
MRワゴンをFF化した上で、デザインは日産オリジナルを取り入れ、装備面は日産の基準で選択された独自ラインナップモデル、日産 モコの誕生です。
元々の販売力の違いや積極的な宣伝もあってモコは順調なセールスを記録したため、モコは日産が作った車と思っている人もいたほどで、『日産の軽自動車』はモコによって急速に定着していきます。
2016年に3代目モコのOEM供給が終了したことにより約14年の歴史に幕を閉じますが、国際戦略車の増加で日本市場に適したラインナップが少なくなった日産の日本国内販売にとって、モコは軽自動車市場への参入で日本市場でのラインナップを維持するという、大きな役割を果たしました。
『ウインググリル』で日産車アピールに成功 初代 MG21S(2002-2006)
2002年4月に発売された初代モコは、4ヶ月前に発売されていたOEM元、スズキ MRワゴンとメカニズムや基本的なボディは共有しながら、だいぶ異なるイメージを持った車でした。
MRワゴンがあくまで当時のスズキ車らしいデザインコンセプトだったので、極端な話を言えばスズキエンブレムを日産エンブレムにするだけでもOEM車は成立するのですが、日産はあくまで自社オリジナルに見えることを望みます。
そこでボンネットやバンパーを変更し、当時の日産がデザインアイデンティティとしていた『ウインググリル』を採用。
細いスリットが入っているだけでグリルレスに近かったMRワゴンとは異なり、フロントグリルを強調することで見事に『日産オリジナルの軽自動車』に見せました。
事情を知っているユーザーはもちろん最初からスズキOEMと知っていましたが、そうでないユーザーは「日産がついに軽自動車を販売した!」と驚き、少しでも安いセカンドカーが欲しい日産ユーザーが喜んでモコを買い求めたのです。
なお、MRワゴンとの違いはデザインだけではなく、ABSを全車標準装備するなど、日産の社内基準で必要とされるものはMRワゴンでオプションでも構わず標準装備化されています。
初代モコ自体は、基本的に当時のワゴンRをベースに、後々加えられる改良を盛り込んだ先行開発車的な軽トールワゴンで、角ばった印象のあるワゴンRに対しワンモーションフォルムの卵型デザインで、ややルーフの低い以外は車内の広さなどワゴンRと共通でした。
また、主要ターゲットを家庭の若い主婦層など比較的若い女性ユーザーとしたため、MRワゴンに設定された64馬力ターボ搭載のスポーツグレードは用意されず、あくまで日産のボトムエンドを支えるセカンドカーや家庭の実用車としてのイメージを重視しています。
ボディカラーも共通ではなくモコ専用色があり、2004年12月にはボディカラーや内外装色を専用として、オーディオやアルミホイール、タコメーターつきスピードメーターなど独自の専用装備を加えた特別仕様車『ブランベージュ・セクレクション』を発売しました。
(代表スペックと中古車相場)
日産 MG21S モコ T 2002年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,590
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):860
エンジン:K6A 水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ
排気量:658cc
最高出力:44kw(60馬力) / 6,000rpm
最大トルク:83N・m(8.5kgm) / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):16.8(10・15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):0.1万~41.1万円
キリっと精悍マスクで日産オリジナル性を高めた 2代目MG22S(2006-2011)
2006年2月、MRワゴンより10日ほど遅れて2代目へとモデルチェンジ。
OEM元のMRワゴンも『ママワゴン』をコンセプトに女性向けとしたので初代と一転、ヘッドランプの大きく親しみやすい顔となりましたが、モコはヘッドランプも含めフロントの外装パーツは全く異なり、日産車に共通する精悍なデザインとしています。
ボディカラーも専用色があれば、内装もシート表皮やドアトリムの布地に至るまでモコ専用となっており、基本的なボディやリア周りの外装、メカニズムを除けば別車といっていいほどです。
そのため、この代からは初代よりさらに『同系統の異なる車』となり、OEM供給というよりはスズキに専用車種の生産を委託しているような形になりました。
特別仕様車も独自設定でインテリアをチョコレート系の色でまとめた『ショコラエティエセレクション』をオーダーしたほか、日産独自にオーテックジャパンで専用外装にカスタマイズした特装車『エアロスタイル』を2007年10月に発売しています。
(代表スペックと中古車相場)
日産 MG22S モコ G 2006年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,610
ホイールベース(mm):2,360
車重(kg):850
エンジン:K6A 水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ
排気量:658cc
最高出力:44kw(60馬力) / 6,000rpm
最大トルク:83N・m(8.5kgm) / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):16.8(10・15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):0.1万~92万円
新技術投入で燃費が大幅に向上 3代目MG33S(2011-2016)
2011年2月、MRワゴンより1ヶ月弱遅れて3代目へとモデルチェンジ。
この頃になると、日産では三菱との提携で軽自動車を新規開発する合弁会社NMKVを立ち上げており、スズキ軽自動車の必要性は薄れていましたが、NMKV独自開発車(後のデイズ / 3代目三菱eKシリーズ)が登場するまでモコの販売を続けます。
スズキ側では3代目MRワゴンを『新感覚軽ワゴン』とやや曖昧なコンセプトでデザインもややコワモテだったのに対し、日産では2代目同様フロントは全く別パーツを使った親しみやすさのある独自デザインを採用し、内装の色や柄もオリジナル。
回生エネルギーシステム『エネチャージ』など、当時のスズキがワゴンRなどに採用していた新技術や、エンジンが新型のR06Aに代わり、CVTとの統合制御やアイドリングストップ機構の採用で燃費は先代より大幅に向上しました。
なお、MRワゴンと異なりバックモニター兼用タッチパネルディスプレイやオーディオは搭載されないオーディオレス仕様で、ユーザーがオプションで選択する方式。
サイドエアバッグやカーテンエアバッグなどMRワゴンに設定された安全装備のセットオプションもモコでは省略されています。
また、モデルチェンジの際にMRワゴンでは廃止されたターボ車が、モコでは2013年7月の一部改良で廃止されるまでラインナップされていましたが、同年10月のマイナーチェンジでMRワゴンWitとほぼ同デザインの『ドルチェ』がOEM供給されるようになって、ドルチェのターボ車という形でターボの設定が復活。
その後は2015年12月にMRワゴン生産終了に伴い3代目モコも販売終了が決定、2016年5月で在庫販売も終了し、その歴史を終えました。
(代表スペックと中古車相場)
日産 MG33S モコ G 2011年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,625
ホイールベース(mm):2,425
車重(kg):850
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ
排気量:658cc
最高出力:47kw(64馬力) / 6,000rpm
最大トルク:95N・m(9.7kgm) / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):22.0(JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場(各型全て):13.8万~129.9万円
各代の新装備
後席左右独立リクライニング&スライド可能!だった初代
基本的には2代目スズキ ワゴンRの別ボディ版である初代モコ(MRワゴン)ですが、当時のワゴンRになかったリアシートの左右独立リクライニング&シートスライド機構があり、ワゴンRより広々とした後席空間を作ることが可能でした。
これは後にワゴンRにも同様の改良が施されますが、モコの方は2004年2月のマイナーチェンジで、リアシートスライド量が105mmから135mmへと拡大されるとともに、前席がセパレートシートからベンチシートへと変更されています。
インテリジェントキーでキーレス始動が可能になった 2代目
内外装をモコ独自としてOEM元のMRワゴンとは大きく変わったモコですが、装備面に関してはMRワゴンでオプション設定されたキセノンヘッドランプが無いなど、デザインが異なることでモコには設定されない装備も出てきました。
この代からの新装備としては、リモコンキーの操作でドアの解錠・施錠ができて、エンジンのプッシュスタートも可能なインテリジェントキーシステムが初採用。
2009年6月のマイナーチェンジでは、運転席シートリフター&チルトステアリングと、ヘッドランプへのオートライト機能が追加されました。
燃費性能を高める改良が次々に行われた3代目
プラットフォームを一新した3代目ではホイールベースが大幅に延長されて後席を中心に車内スペースが拡大して快適性が向上。
新型のロングストローク&高圧縮比エンジンR06Aと、新たに採用した副変速機付きで変速幅の広いジャトコ製CVT、アイドリングストップ機構、そして素材見直しで軽量化されたボディにより、燃費を大幅向上させました。
2012年5月の一部改良から採用された新型アイドリングストップ機構では、9km/h以下に落ちれば停車前でもエンジンが止まり、ブレーキを離すかステアリングを動かせば再始動する新機能が追加され、さらに燃費性能を高めています。
燃費性能についてはさらに改良が進み、2013年7月の一部改良では通常の鉛バッテリーと別にリチウムイオン電池を搭載し、高効率・高出力のオルタネーターで充電して車内電装品に使うスズキの『エネチャージ』を搭載。
停車前アイドリングストップの作動範囲を13km/h以下に拡大し、エンジン停止中も蓄冷材でエアコンから冷風を出せる『エコクール』も追加して、エンジンの負荷の大幅軽減による燃費改善が行われました。
後継車と中古車相場
2016年5月で販売終了したモコですが、それに先立ち2013年6月には三菱との合弁会社NMKVで開発したデイズが発売されており、そのデイズがモコおよび、2代目三菱 eKワゴンOEMだったオッティの後継車となりました。
デイズは販売直後から人気を得てヒット作となったので、その時点で『日産が軽自動車市場に参入する尖兵』だったモコの役割はほぼ終えていたのです。
その後の日産とスズキの関係は、三菱が独自生産から撤退した軽トラックおよび軽1BOXバン / ワゴン(『ミニキャブ』シリーズ)に代わってスズキがキャリイ(軽トラック)とエブリイ(軽1BOXバン / ワゴン)を供給。
モコ時代に引き続き、日産からは中型1BOXミニバンのセレナをOEM供給するという形で今も続いていますが、少なくとも軽乗用車に関しては今後もNMKVで開発されるので、スズキから供給再開されることは無いでしょう。
なお、モコの中古車は販売台数が多かったこともあり、本家OEM元のMRワゴンよりタマ数が豊富で、メジャー感もあるため価格も若干高めです。
特に2代目以降はデザインコンセプトが異なるため、モコとMRワゴンどちらにするか迷う人はあまりいないと思いますが、仮に比較する人がいれば、OEM車と言っても装備面では差がありますから、購入時には希望の装備が整っているか、ジックリ確認しましょう。
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ここ来て!査定は業界初の、電話を使わない仕組みを実現することで、電話がたくさんかかってくることはありませんし、電話をかける必要もなく、双方の負担がなくなる新しい仕組みです。