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常に先端を走ってきたベストセラーミニバン、2代目のCM「モノより思い出」が今でも鮮烈な、歴代日産 セレナ

セレナ 査定

現在の販売台数上位ランキングで日産車はかつてより少なくなっているのですが、コンパクトカーのノートともども、常に上位を保っている車種があります。それがセレナで、同クラスのトヨタ ノア3兄弟(ノア / ヴォクシー / エスクァイア)に対して優位を保ち続ける、日産では数少ないドル箱車種です。

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各代の概要と時代背景

1970年代のバネットに源流を持つ、意外と老舗なミニバン

初代セレナと言えるC23型が登場するのは1991年ですが、その原型をたどると意外に古く、1978年11月にデビューした小型1BOX商用車C120型サニーバネット / チェリーバネットに行きつきます。

先代に当たるサニーキャブ / チェリーキャブからモデルチェンジして車名が代わった際に、それまでのトラックと商用バンの2本立てラインナップに乗用ワゴンモデルの「コーチ」をラインナップして3本立てになったのが始まりでした。

その当初から、同クラスで同じく乗用モデルを設定したトヨタのライトエース / タウンエースと競合するモデルで、商用バンモデルと異なる乗用車らしい装飾の施されたフロントマスクを与えられ、ライバルに先駆け電動サンルーフや回転対座シートを設定しています。

1982年に上級派生モデルとしてバネットラルゴが登場、バネットコーチも1985年にモデルチェンジされて2代目C22型となりますが、1991年に乗用のバネットコーチのみ商用のバネットバンおよびバネットトラックから独立してモデルチェンジ。

商用モデルは1994年まで継続生産されますが、モデルチェンジした乗用モデルはバネットセレナを名乗るようになりました。

まだ近代ミニバンになりきる以前、商用モデルもあった初代C23型(1991-1999)

1991年6月、バネットコーチからのモデルチェンジでC23型バネットセレナが登場、初めて「セレナ」の名が現れました。

ただしこの時期はまだミニバンブームの前で、2018年現在の売れ筋モデルである背の高い1BOXミニバンも、単に「商用1BOX車の乗用モデル」として、車内の広さは認められていたものの、商用車ベースなので乗り心地などはガマンの車、という時代です。

バネットセレナもその例外ではなく、乗用モデル専用ではなく商用1BOXバンモデルのバネットセレナ・カーゴが存在しました(トラックだけは無し)。

ただし、ライバルのトヨタ ライトエース / タウンエースや三菱 デリカスターワゴンなどより先駆けていたのは、エンジンの上にドライバーが乗るキャブオーバータイプは変わらないながら、1BOXボディではなく短いノーズを持つ1.5BOXスタイルだったこと。

これによりクラッシャブルゾーンを持つことになり、衝突安全性の面でライバルより優位に立ちました。

また、商用バン派生モデルとして乗用ワゴンを設定したのではなく、あくまで乗用ワゴンがメインで商用バンを派生させていた点も新しいところです。

また、ハンドリングなど走行性能を1990年代に世界一の水準に引き上げる「日産901運動」のさ中に開発されただけあって、廉価版や商用モデルを除きフロントにストラット、リアにマルチリンクサスペンションを採用。

これにより、トヨタのミッドシップミニバン、初代エスティマと並び、「乗用車並の走りの楽しさを持つミニバン」の草分け的存在になりました。

なお、初代C23型は8年もの長きに渡って生産されましたが、その途中で到来したミニバンブームに非常にマッチした存在だったのもその理由で、1994年には近代的なミニバンへと近づく大幅なマイナーチェンジを受けました。

その際に車名から「バネット」が外れて単なるセレナとなって商用イメージを払拭するとともに、オーテックジャパンによる特別仕様車「キタキツネ」やエアロ仕様「ハイウェイスター」も設定。

時代の波に乗って、急速に近代ミニバンとして認められていったのです。

(代表スペックと中古車相場)
日産 KBNC23 セレナ ハイウェイスター 1998年式
全長×全幅×全高(mm):4,380×1,695×1,915
ホイールベース(mm):2,735
車重(kg):1,620
エンジン:SR20DE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,998cc
最高出力:130馬力 / 6,000rpm
最大トルク:17.5kgm / 4,800rpm
乗車定員:8人
駆動方式:4WD
ミッション:5MT
燃費(km/L):10.4(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場(各型全て):23万円~31.3万円(バネットセレナカーゴ含む)

「モノより思い出」のCMでユーザーの心をわしづかみにした、2代目C24(1999-2005)

2代目C24セレナにも数多くのトピックスがあるのですが、何より優先して伝えなければいけないことは、この代で初めて採用された「モノより思い出」というミニバン史上最高傑作とも言えるキャッチコピーです。

これはミニバンという「モノ」はあくまで脇役であり、本当の主役はそれに乗った人々が紡ぎ出す「思い出」である、というミニバンの本質を鋭く突いたCMで、まさにミニバンの購買層が求めていた答えをドン!と目の前に差し出すようなインパクトがありました。

これによりセレナは「思い出を大切にする人のミニバン」というイメージが定着し、以降この中型1BOXミニバンというカテゴリーで、圧倒的な強さを発揮する原動力となったのです。

1999年6月に登場した2代目C24という車そのものも「ユーザーが求める車を先取りしたモデルチェンジを、満を持して決行した典型的な成功例」と言えます。

初代C23は、乗用車並の走りの良さや安全性の高い1.5BOXボディを持ちつつ、内容的には助手席下にエンジンを配置したキャブオーバー型FR(後輪駆動)レイアウトと商用モデル然としており、特に運転席・助手席周りは狭さが目立ちスペース効率は低いものでした。

それを2代目C24では初代ホンダ ステップワゴン(1996年登場)のヒットを見て徹底的に研究、FF(前輪駆動)化とボディも形状の「ハコ」型化と低床化、シフトレバーもフロア式からコラム式に変更して前席足元を広げたのです。

これによりボディサイズに見合うスペース効率を得るとともに、前後席ウォークスルーも可能になって使い勝手は大きく向上しました。

さらに商用モデル廃止で乗用ミニバンモデルに一本化、現在まで続くセレナのベーシックはこの2代目C24で確立されたと言えます。

初代ステップワゴンの後追いとはいえ、最大のライバル、トヨタはまだFRで商用バンモデルを持つライトエースノア / タウンエースノアの販売中で、2002年にそれらがノア / ヴォクシーにモデルチェンジするより、3年もリードした形になりました。

ボディサイズはあくまで5ナンバー枠を維持したものの、2001年のマイナーチェンジでは走りにゆとりを持たせた2.5リッターガソリンエンジンモデルを、2.5リッターディーゼルエンジンと置き換える形で追加。

従来からの2リッターガソリンエンジンSR20DEも、低中速のトルク重視のセッティングが施された新型のQR20DEに置き換えられるなど、ミニバンとしてより充実した走行性能を得ています。

(代表スペックと中古車相場)
日産 RC24 セレナ 25ハイウェイスターX 2001年式
全長×全幅×全高(mm):4,600×1,695×1,825
ホイールベース(mm):2,695
車重(kg):1,590
エンジン:QR25DE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:2,488cc
最高出力:160馬力 / 5,600rpm
最大トルク:24.5kgm / 4,000rpm
乗車定員:7人
駆動方式:FF
ミッション:4AT
燃費(km/L):10.6(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トレーリングアーム式マルチリンク
中古車相場(各型全て):0.1万円~89.9万円

ライバル以上にスペース効率を追求した3代目C25(2005-2010)

2005年5月に3代目C25へとモデルチェンジしたセレナは、先代C24で至らなかったネガティブな点を徹底的に詰め、同クラス車中最大のスペース効率と経済性を追求したミニバンになりました。

すなわち、プラットフォームを一新してライバル中最長となる2,860mmという超ロングホイールベースを達成するとともに、スペースを優先してFF車は室内への張り出しが少ないトーションビーム式サスペンションをリアに採用。
これによって、ライバルを上回る広々とした車内やシートアレンジを実現しています。

エンジンも2.5リッターガソリンエンジンを廃止し、2リッターでも十分な低中速トルクを持ちゆとりのある新型エンジンMR20DEへと更新するとともに、ミッションも新型のエクストロニックCVTを採用してシャープな動力性能、低燃費による高い経済性を両立しました。

モデルチェンジ直後は一時期設定されず、復活が待望されていたエアロ仕様「ハイウエェイスター」も2006年6月に復活、オーテックジャパン特別仕様の「ライダー」「アクシス」などとともに、内外装で多様なバリエーションを構成します。

これらの変更で2007年にはミニバン部門での国内新規登録台数はトップとなり、全クラスを通じた定番ミニバンとしての地位を確立して日産の稼ぎ頭になっていきました。

なお、この代でもボディサイズは基本的に5ナンバーですが、「ハイウェイスター」は追加時から、「ライダー」も2007年12月のマイナーチェンジでわずかに5ナンバーサイズをはみ出し、3ナンバー化されています。

(代表スペックと中古車相場)
日産 CC25 セレナ ハイウェイスター 2007年式
全長×全幅×全高(mm):4,740×1,725×1,840
ホイールベース(mm):2,860
車重(kg):1,610
エンジン:MR20DE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,997cc
最高出力:137馬力 / 5,200rpm
最大トルク:20.4kgm / 4,400rpm
乗車定員:8人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):13.2(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):1万円~189万円

キープコンセプトながら室内長拡大と開放感アップを狙った4代目C26(2010-2016)

2010年11月に登場した4代目C26のデザインは、一見すると先代C25のキープコンセプトに見えますが、実際の共通点は前席窓下部が一段下がった階段状の「シュプールライン」や、三角窓、パノラミックウィンドウといった基本要素のみ。

実際には5ナンバークラスミニバンでは最大級の大きさとなるフロントウィンドウなどで、運転席からの視界や、各座席での開放感を大きく改善しています。

それと同時に、ホイールベースは変わらないながらも、各部の見直しで車内長を300mmも拡大することに成功し、中型ミニバン最強モデルとしての貫禄を見せました。

エンジンも先代のMR20DEを直噴化したMR20DDに換装するとともに、エンジン再始動時にスターターを使わずオルタネーターでエンジンを駆動して静かに再始動するアイドリングストップを採用。

これらの改良によって、日産の低燃費ガソリン車進化型エコカー「PURE DRIVE」適用第4弾となり、廉価グレード「20S」以外にはそれを表すエンブレムがリアに装着されました。

2012年8月には、スズキのS-エネチャージの日産版と言えるマイルドハイブリッド「S-HYBRID」を廉価グレード「20S」を除くFF全車に採用し、さらに燃費を向上させています。

2013年12月のマイナーチェンジ以降は、「20S」以外全グレードに車両だけでなく歩行者にも対応した衝突被害軽減ブレーキ(エマージェンシーブレーキ)と車線逸脱警報装置を標準装備し、その他安全装備をまとめたアドバンスドセーフティパッケージを追加しました。

(代表スペックと中古車相場)
日産 HFC26 セレナ ハイウェイスターG S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ 2013年式
全長×全幅×全高(mm):4,770×1,735×1,865
ホイールベース(mm):2,860
車重(kg):1,680
エンジン:MR20DD 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,997cc
最高出力:147馬力 / 5,600rpm
最大トルク:21.4kgm / 4,400rpm
モーター:SM23 交流同期電動機
最高出力:2.4馬力
最大トルク:5.5kgm
乗車定員:8人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):15.4(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):39万円~268万円

プロパイロット搭載やカスタムカー拡充、e-power追加と盛り沢山の5代目C27(2016-)

これまでミニバンとしての王道を歩み、追求してきたセレナですが、2016年8月24日にデビューした5代目は日産を代表するような技術がこれでもかと詰め込まれた、ハイテク最新ミニバンとなりました。

基本的なデザインはフロントマスクが日産の新アイデンティティであるVモーショングリルの採用、キリリとつり上がり引き締まったヘッドライトといったフロントマスクの変更と、シュプールラインの躍動感がさらに増したことで、より人目を引きつけるものに。

加えて各ピラー色をブラックアウトする事で屋根を浮かせる「フローティングルーフ」の採用で、よりスポーティに仕上がりました。

S-HYBRIDもモーターを新型に変更するとともに4WDにも設定を拡大して、S-HYBRID全車が平成32年度燃費基準を達成しています。

さらに、従来からの「ハイウェイスター」や「ライダー」といったエアロ仕様に加え、追加でNISMO(2017年11月発売)、AUTECH(2018年2月発売)と2種のスポーツ仕様カスタムカーが設定され、いずれもボディ補強や専用チューニングのサスペンションなどを装着。

安全装備面では、日本初のレベル2自動運転を可能にする「プロパイロット」のオプション設定が行われました。

2018年春にはコンパクトカーのノートで先行採用されて大人気となったシリーズ式ハイブリッドシステム「e-power」第2弾としてセレナe-powerが登場予定で、日産のドル箱車種としてノート、リーフとともに今後も最新装備が追加されそうです。

(代表スペックと中古車相場)
日産 GFC27 セレナ ハイウェイスターG 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,770×1,740×1,865
ホイールベース(mm):2,860
車重(kg):1,700
エンジン:MR20DD 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,997cc
最高出力:150馬力 / 6,000rpm
最大トルク:20.4kgm / 4,400rpm
モーター:SM24 交流同期電動機
最高出力:2.6馬力
最大トルク:4.9kgm
乗車定員:8人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
燃費(km/L):16.6(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場(各型全て):184万円~360万円

各代の新装備

スーパーHICASすら設定されていた走りの初代

初代セレナ(バネットセレナ)は日産901運動により、当時登場するほとんどの車でハンドリングをはじめ走りの性能が向上していた影響を受けています。

新世代スポーツDOHCエンジンのSR20DEこそ低中速トルク重視のセッティングとはいえ、サスペンションはリアに路面追従性の高いマルチリンク式が、最上級の「PX」グレードには日産独自の4WS、SUPER HICAS装備車(ツーリングパッケージ)すらありました。

SR20DEやディーゼルターボのCD20T搭載車にはビスカスLSDが標準装備され、フロア式のシフトには5速MTまで設定されるなど、後のミニバンではありえない「走りにも振れるミニバン」だったことがわかります。

なお、ミニバンらしい世界初装備としては、地味ながらスライドドアのパワーウィンドウがありました。また、「キタキツネ」や現在まで続く定番「ハイウェイスター」といったオーテックジャパンによる特別仕様車も、この代で初登場しています。

両側スライドドアとCVTを初採用した2代目

FF化された2代目は、FF乗用タイプミニバンとして初めて両側スライドドアを採用(それまでは歩道側である左側のみ採用がほとんどだった)。

そして当時の日産が熱心に推し進めていたCVT(無段変速機)採用拡大により、2リッターガソリンエンジン搭載車は4WDを含め全車がHYPER CVTを同クラスミニバンとして初めて採用しました。

他にセレナとして初だったのはコラム式シフトレバーや前後席ウォークスルーと、2001年12月のマイナーチェンジで追加されたリモコンオートスライドドア。

そして2003年の一部改良で標準装備されたインテリジェントキーなど快適装備と、事故時に連動して動き搭乗者の首を守る運転席・助手席アクティブヘッドレストがあります。

装備面のバージョンアップ主体の3代目

3代目では新型プラットフォーム採用でスペース効率が大きく改善された一方、新技術の適用は少なく、それまでのSR20DEエンジンに代わりMR20DEが搭載され、この2リッターガソリンエンジンに全車統一されたくらいです。
この代と4代目は、パワーユニットが1種類のみとなりました。

セレナとして初採用された装備は、2007年のマイナーチェンジで標準装備として追加された、「サイドターンランプ内蔵電動格納式リモコンカラードドアミラー」と「両側スライドドアオートクロージャー」。

エルグランドで先行採用していた、カメラの映像を合成して「モニターで車を上から見た画面」を見ながら駐車などの操作ができる「アラウンドビューモニター」も装備。

そして、2008年12月に追加の特別仕様車「ハイウェイスターVセレクション」に装備された「両側リモコンオートスライドドア」と「バックドアオートクロージャー」があります。

スズキと共通の技術で燃費性能を追求した4代目
4代目はスズキの「エネチャージ」と似た技術で、アイドリングストップしているエンジンを「ECOモーター」と称する強化オルタネーターで直接駆動する再始動システムの初採用が特徴です。

再始動時にスターターモーターを使わないため静かなこのシステムは2012年8月の一部改良でFF車のみながら「S-HYBRID」に発展しています。

S-HYBRIDはECOモーターをさらに強力にして発電量と出力を強化、エンジンルームにサブバッテリーを追加して、加速時のパワーアシストまで可能にしたもので、基本的にはスズキがワゴンRなどで採用したS-エネチャージと同様の技術です。

エンジンもモデルチェンジ時から改良型の直噴エンジンMR20DD、CVTはより効率化されたエクストロイドCVTに更新されましたから、燃費性能は先代より大幅に向上されました。
また、特別仕様車「ハイウェイスター」「ライダー」から、挟みこみ防止機構付きの両側ワンタッチオートスライドドアが採用され、後に一部グレードで標準装備となります。

2013年12月25日のマイナーチェンジでは安全装備が強化され、「踏み間違い衝突防止アシスト」「ふらつき警報」「MOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター」をセットにしたアドバンスドセーフティパッケージを初設定。

前方の車両や歩行者を検知すれば自動でブレーキをかけるエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)や、車線逸脱警報「LDW」も20Sを除き、初めて標準装備されました(20Sも2015年11月の改良で標準装備)。

日本初のレベル2自動運転を可能にした5代目

5代目では日本で初めて、そして8人乗りミニバンでは世界で初めてモービルアイ社製システム「プロパイロット」をオプション設定し、レベル2自動運転を可能にしました。

これは高速道路や自動車専用道路限定ながら、広い速度域で前走車追従と車間保持制御を可能にし、さらに左右白線をカメラで認識して車線中央走行が可能な操舵制御も行うものです。

あくまでドライバーの操作補助に留まるため、ハンドルから手を離した状態での走行は認められず、離したままだと10秒程度で警告とともに休憩を勧められます。

悪天候では動作しないなど作動環境がかなり限定的な自動運転とはいえ、日本車として初めてこの種の安全運転支援システムが搭載されました。

また、操舵補助は駐車時にも使われ、駐車枠を指定すれば自動でステアリング操作を行って駐車をサポートしてくれる、「インテリジェントパーキングアシスト」が3代目エクストレイルに次いで採用されています。

その他、プロパイロット搭載車に限りますが、パーキングブレーキも同クラスミニバンでは初めて電動式が採用されました。

さらに注目なのは2018年に追加予定の「e-power」で、2代目以来の「セレナ第2のパワーユニット」。
エンジンで発電した電気でモーターを回して走るというシリーズ式ハイブリッドで、大容量バッテリーの代わりに発電用エンジンを搭載したという意味ではEVの一種とも言えます。

給油が必要でガソリン代がかかる代わり、時間のかかる充電は不要(というより大容量バッテリーを持たないので、できない)なため、エネルギー補充は通常のガソリン車同様で、走りの面ではモーターのみ使うのでEVと同じフィーリング。

アクセルを踏めば走り、緩めれば減速、離せば止まるためブレーキをあまり踏まなくていい「ワンペダル走行」が可能なため、長距離を走ることが多いミニバンでもドライバーの疲労低減が期待されるほか、プロパイロットとの相性も良さそうです。

各代の派生車種

4代目まで「キタキツネ」「ハイウェイスター」「ライダー」といった、内外装をオーテックジャパンが手掛けた仕様が存在しましたが、5代目では新たに2種類の純正カスタムカーが登場しました。

いずれもオーテックジャパンが手掛けますが、前述の特別仕様とは異なり、かなり手の加えられたスポーティ仕様になっています。

セレナNISMO

5代目のハイウェイスターをベースに、専用外装とレッドアクセントをあしらった内装の施されたミニバンとしては初のNISMOモデルです。

ボディカラーにもダークメタルグレーメタリックなどNISMO専用色が用意され、NISMO仕様らしくボディ補強やサスペンションチューニングなど、走りに振った純正チューニングが施されています。

セレナAUTECH

こちらは同じ5代目でも「X」グレードがベースで、LEDフォグランプや専用ステアリング、専用アルミホイールなど専用内外装が施されたほか、専用本革インテリアを5代目で唯一メーカーオプションで設定しました。

さらにFF車には、専用のチューニングコンピューターと専用テールフィニッシャーつき専用マフラーを追加、タイヤ&ホイールも17インチにインチアップされ、ボディ補強とサスペンションチューニングも施された、「AUTECH SPORTS SPEC」もあります。AUTECHの設定に伴い、ポジションの似ていた「ライダー」は廃止されました。

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