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ヴェゼル(2013-)の買取相場

ヴェゼル 買取相場

長らくヒット作に恵まれない時期が続いたコンパクトSUVというジャンルで、久々のヒット作となったホンダ・ヴェゼル。3代目フィットの兄弟車シリーズで流行のクロスオーバーSUV部門という大役を任され、自慢のスポーティなi-DCDハイブリッドシステムも相まって大ヒット!現在も続くコンパクトSUVブームの流れを作った車であります。そんなヴェゼルも発売から約7年を経て、買取市場での評価はどうでしょう!?

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コンパクトSUVブームの立役者!ホンダ・ヴェゼル

RVブームに沸き立つ日本で、当時はまだシティオフローダーとも言われていた初期のクロスオーバーSUVブームを牽引したのはトヨタ・RAV4(1994年)とホンダ・CR-V(1995年)の初代モデルでした。

いずれも排気量2リッターで5ナンバー枠に入る小型SUVであり、それ以前にデビューしていたスズキ・エスクードに続く「コンパクトクロカン枠」でもありましたが、その後デビューするSUVは次第に大型化していき、コンパクトクラスや軽のクロスオーバーSUVはイマイチヒット作に恵まれなくなります。

やがて自動車メーカー側もあまり売れないジャンルは後回しになり、ミドルクラス以上のSUVへと注力していきますが、2013年12月に発売されたホンダ・ヴェゼルはそんな停滞するコンパクトSUVの現況を打破する意欲的なモデルでした。

ベースは3代目フィットで、1.5リッターi-VTECエンジンや、そのエンジンに組み合わせた7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)へモーターを内蔵、従来までの「IMA」とは異なり、クラッチでエンジンやモーターを切り離し、それぞれ単独でも、あるいはモーターアシストでも走行可能な1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステム「i-DCD」も搭載。

トヨタ方式の「THS」と異なり、従来型パワーユニットの駆動系をそのまま使えるので4WDの設定も容易な、ホンダ式ハイブリッドシステムの特徴を受け継いだi-DCDはSUVへ安価なハイブリッド4WD車を設定するのにも便利でした。

さらに、フィットベースとはいえ大径タイヤとロングストロークのサスペンションで最低地上高を上げ、重心上昇へ対応するため、全幅を広げつつルーフは低く抑えてルーフ後端はなだらかに降りていくクーペルックで、ワイド&ローのスタイリッシュな5ドアハッチバッククーペボディは、フィットよりむしろスポーティですらあり、「新時代のスポーツカー」を予感させたのです。

これがまんまと当たったヴェゼルは発売直後から大ヒット作となり、SUV新車販売台数のトップ街道を驀進します。

そうなると「このジャンルは当たる」と気づいた他メーカーも次々と参入、2016年12月にトヨタが「C-HR」をデビューさせるとSUV販売のトップから陥落し、その後もスズキから「クロスビー」、トヨタとダイハツから「ライズ」と「ロッキー」が販売されるなど、にわかに湧き上がり現在まで続くコンパクトSUVブームは、ヴェゼルの発売によってもたらされたものでした。

ヴェゼルもライバルに負けぬよう、安全運転支援パッケージ「ホンダセンシング」の全車標準装備化(レスオプションも設定)や、2019年1月にはパワフルな1.5リッターVTECターボの「ツーリング」、同11月にはエアロ仕様の「ツーリング モデューロX」「ハイブリッド モデューロX」グレード追加など改良を続け、2019年(2019年1~12月)のSUV販売台数ではトップを奪還するなど、発売から約7年を経てなお意気盛んです。

ヴェゼル・中古車販売価格の相場と流通台数は?

ヴェゼルの中古車販売価格の相場と流通台数を、大手中古車情報サイトからチェックしてみましょう(2020年8月現在)。

ヴェゼル(ガソリンエンジン)

修復歴なし:88.8~349.8万円・690台
修復歴あり:89~229万円:14台

ヴェゼルハイブリッド

修復歴なし:89.8~337.8万円・2,015台
修復歴あり:85.8~258万円:55台

どうやら販売の主力はハイブリッドのようで、中古車市場でも2,000台以上もタマ数があるハイブリッドに大してガソリンエンジン仕様は700台少々と1/3程度です。

ただし、ガソリンエンジン仕様は2019年に追加されたVTECターボ版「ツーリング」や、そのエアロ仕様「ツーリング モデューロX」でテコ入れが図られています。

さらには、ヴェゼルに限らず3代目フィットシリーズのハイブリッド車全般でi-DCDシステムの(というより7速DCTの)耐久性に問題があって何度かリコールが出ており、その影響もあってかハイブリッド車の方が販売価格は若干安めで、新車価格が20万円ほど高い事を考えると、ヴェゼルハイブリッドは中古車試乗でも価値がかなり低めに見積もられているかもしれません。

ヴェゼル・買取価格の相場と、年式、グレードごとの傾向は?

では、買取相場ではどのように評価されているのでしょうか?これも大手買取専門業者のサイトで買取実績が確認されたものを、年式やグレードごとの評価と合わせて紹介します。

まずは年式ごとの平均買取価格と平均残価率(オプション込み新車実勢価格に対する買取価格の割合)です。

ヴェゼル(ガソリンエンジン)

2013年式:買取実績なし
2014年式:約73万円・約31%
2015年式:約80万円・約34%
2016年式:約96万円・約39%
2017年式:約103万円・約41%
2018年式:約127万円・約50%
2019年式:約139万円・約53%
2020年式:約148万円・約58%
総合:約113万円・約43%

ヴェゼルハイブリッド

2013年式:約76万円・約26%
2014年式:約80万円・約28%
2015年式:約97万円・約33%
2016年式:約113万円・約39%
2017年式:約122万円・約42%
2018年式:約137万円・約46%
2019年式:約160万円・約54%
2020年式:約164万円・約54%
総合:約111万円・約38%

やはりハイブリッドの方が新車価格が高いのに平均買取価格が若干劣り、従って新車価格に占める買取価格の割合、「平均残価率」も低めに留まっています。

ただし、4年落ち2016年式まではハイブリッドの方が平均買取価格は高い傾向にあり、全メーカーのハイブリッド車やPHV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)に共通する課題として、「走行用バッテリーの経年劣化による能力低下」が、ヴェゼルハイブリッドでも買取査定に大きな影響を与えていると言えそうです。

全般的に平均残価率が高いのはガソリン車の方ですが、低年式になるほどハイブリッド車の価値下落が激しく、ガソリン車はそれに比べまだ価値が落ちにくい傾向にあります。

しかしそれは同じヴェゼルでガソリン車とハイブリッド車を比べた場合の話で、クロスオーバーSUV「ヴェゼル」全般で考えると、初回車検の3年落ちくらいまで約50%程度の残価率を維持し、初期型の6~7年落ちでも30%程度を維持しているのは人気車種ならではで、これが不人気カテゴリーの車だと20%を切っていてもおかしくありません。

続いて大まかなグレードごとの平均買取価格と平均残価率です。

ヴェゼル(ガソリンエンジン)

G系(廉価グレード):約85万円・約37%
X系(標準グレード):約105万円・約43%
S系(前期上級グレード):約92万円・約39%
RS系(後期上級グレード):約133万円・約50%
ツーリング(ターボ車):約147万円・約46%
ツーリング モデューロX:買取実績なし

ヴェゼルハイブリッド

ハイブリッド系(廉価グレード):約86万円・約32%
ハイブリッドX系(標準グレード):約106万円・約37%
ハイブリッドXスタイルエディション(特別仕様車):約104万円・約34%
ハイブリッドX・Lパッケージ系(標準グレード装備充実版):約86万円・約29%
ハイブリッドXブリリアントスタイルエディション(特別仕様車):約121万円・約41%
ハイブリッドZ系(上級グレード):約123万円・約41%
ハイブリッドZスタイルエディション(特別仕様車):約118万円・約41%
ハイブリッドRS系(最上級グレード):約146万円・約47%
ハイブリッド モデューロX:買取実績なし

ヴェゼル/ヴェゼルハイブリッドともにスポーティで最上級の「RS」系グレードが高く評価されており、買取価格、残価率ともに優秀な実績を残しています。

ホンダというメーカー自体が、そしてヴェゼルにもスポーティな走りのイメージが期待されているゆえの現象と言えて、これがもっと万人受けする、あるいはさほど個性が重視されない車だと、廉価グレードの評価が低いのは共通なものの、標準グレードの評価がもっとも高くなるところです。

現行ヴェゼルの価値は、早ければ2021年にデビューする次期型次第

強力なライバル車の出現で2019年秋以降は鈍ったとはいえ、デビューから7年経つ車種にしてはまだ比較的新車販売が好調、中古車市場でもそれなりに高値で販売されているヴェゼルですが、ベースの3代目フィットが2020年2月にモデルチェンジしています。

引き続き4代目フィットベースで登場すると目される2代目ヴェゼルも、早ければ2021年に登場するというのがもっぱらの噂ですが、もともとフィットより一回り大きく重く、パワーユニットも余裕を持たせて1.3リッター車を設定せずに、むしろ1.5リッターVTECターボ搭載でテコ入れを図ってきました。

それがモデルチェンジでどのように変わってくるのかが、現行ヴェゼルにおける今後の買取相場にも大きな影響を与えると見られており、1.3リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドのみで、スポーティな1.5リッターVTECの「RS」を廃止、余裕の走りは小型化に成功した新世代ハイブリッドシステム「e:HEV」(旧称:i-MMD)に任せてMT車は設定しないなど、4代目フィットでは大きくコンセプトを変えてきました。

次期ヴェゼルでは1.5リッターハイブリッド「e:HEV」こそ共通なものの、ガソリンエンジンはさすがに重いヴェゼルには非力な1.3リッターではなく1.5リッターVTEC、あるいは1リッターVTECターボになると見られており、1.5リッターVTECターボも残ると予想されます。

スポーティなパワーユニットや、ホンダセンシングなど安全装備、そしてデザイン面でもユーザーを裏切るような事がなければ、おそらく現行ヴェゼルは次期型発売直後から1~2割ほど残価率が下がるという、「型落ち車の宿命」にさらされるはずです。

逆に期待はずれだと、アレおかしいな売るのはやめてもっと乗ろう…あるいは現行ヴェゼルを中古車市場に求めるというユーザーが増えますから、現在の買取市場における高評価はもう少し続くかもしれません。

全ては次期型の登場時期やその出来栄え次第なので、現状で既にヴェゼルの売却を検討しているユーザーは、少しでも高く売ろうと思うなら次期ヴェゼルの情報、特にディーラー経由で流れると思われる販売促進資料や、車の一部のみ小出しで紹介するティザーキャンペーンを丹念にチェックしておきましょう。

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