3回目の世界一周【4日目】ブルートレインでヨハネスブルグ ⇒ ケープタウン
朝食後、ひたすら雄大な景色
10号室(suit No.10)。電車の揺れが心地よく、ぐっすり眠れました。車窓は東側なので、寝るときは朝焼けが見られるようにブラインドを開けておきました。目覚めると4時半。まだ空は暗くもう一寝入り。次に目覚めると5時半。そろそろ空が薄っすらと明るくなってきています。洗顔、歯磨き、トイレを済ませ、誰もいない最後尾車へ。
他の乗客は誰も来ていません。最後尾車だけヒンヤリとしていて肌寒いです。最後尾の一番良い席に座り、線路と明るくなってくる空をボーッと眺めます。目の前のテーブルには韓国人が食い散らかしたナッツの皿が散らかっています。床にはハングル文字の書かれた割箸の袋が落ちています。こういうところを見ると、同じアジア人として恥ずかしいです。
10分ほど1人で景色を眺めていると、大きなカメラを持った男性が入ってきました。話をするとカナダから1人で来たらしいです。「ケープタウンは干ばつで、深刻な水不足だというニュースを日本で見たけれど心配ですね」と話すと「この地域は毎年4月をピークに水不足になっている」とのことでした。
完全に日が昇ったので部屋に戻ることにしました。途中のラウンジでジュースをもらい部屋に戻ると、人魚ちゃんも起きていました。次は人魚ちゃんが最後尾車に行きました。8時ごろまで景色を楽しみ、朝食のためレストラン車両へ。
朝食中、バカ話が炸裂、笑いが止まりません。部屋に戻ってお互いのベッドで寝ながら景色を楽しみ、またバカ話。そうこうしているうちに昼食の時間になり、またレストラン車両へ。席がいっぱいなので、隣のラウンジ車両で少し待ちました。
昼食を済ませ、部屋に戻ると、ベッドの上に乗車証明書と記念の時計が置いてありました。バトラーが「ベッドは畳もうか?」と聞いてきたので「畳まなくてOK」と伝え、ゴロゴロとお互いのベッドでくつろぎながら景色を眺めます。景色といっても茶色い地平線と綺麗に植えられた作物が延々と続いていて、暇です。
しばらく寝てから景色を見ると、ゴツゴツした岩山だったりサバンナだったりするのですが、とにかくひたすら広い大地です。またバカ話炸裂で爆笑。列車はしばしば止まります。時間調節のためなのか、景色を見せるためなのかは分かりませんが、20km/hのゆっくりしたスピードで走っていたかと思うと、順調に日本の電車と同じくらいのスピードになったり、ペース配分が分かりません。
駅でないところで止まることもあるし、駅で止まることもあります。後者の場合は物資を運ぶためなのか、スタッフが荷物を運んだり線路に降りて作業をしています。駅で止まっているときにドアが開いていたのでホームに出ました。30時間ぶりの外の空気!ストレッチして深呼吸。外は思ったほど暑くなく、湿気が少なくてカラッとしています。
先頭車両は立ち入り禁止だったので、外側から見てみることにしました。先頭車両に向かってホームを歩いて行くと、先頭の2輛だけは赤色でした。運転手に愛嬌を振りまいてパシャパシャと写真を撮っていると運転手が手招きしてくれて、運転席に座らせてもらいました。日本では有り得ないですよね。
最後部車両も見てみたかったのでホームを歩いて行くと、電車が長すぎてホームからは見えませんでした。出発のベルが鳴り、車内に戻ります。ケープタウンが近づくにつれて、道や建物がだんだんと多くなって都会に近づいているのが分かります。目を覆いたくるくらいのゴミだらけの場所があったり、バラックの集落があったり。でも皆、電車に手を振ってくれます。
ケープタウンまであと50kmくらいで、駅に停車しました。向かいの線路にはローカル線が停車しています。高校生が3人乗ってきて、目が合ったので手を振ると向こうも手を振ってくれました。ブルートレインは窓があっても開かない造りなので、ジェスチャーやメモ用紙で会話します。高校生はタバコを回し吸いしています。とても美味しそうに吸います。電車のドアは開けられるようになっていて、電車から足を放り出して座って吸っています。こういう雑なの大好きです。10分ほど彼らと遊んで、電車が動き出しました。「バイバーイ!」と投げキッスしてくれました。
ケープタウン(Cape Town)
ケープタウンが近づくと、バトラーが荷物を取りに来てくれました。コンセントのアダプターも借りていたので返します。その時に20ドルのチップを渡しました。そしてケープタウン駅に到着。大都会です。電車を降りて少し歩いてラウンジに入ります。ここで荷物を受取り、ブルートレインの旅は終了。
ホテルまでタクシーで移動し、チェックインを済ませるとすぐに海岸まで散歩に出かけました。南極が近いので海水は冷たく、泳ぐにはウェットスーツが必要です。街は清潔で空気も良く、海は綺麗で背後にはテーブルマウンテンと尖がった山(ライオンズヘッド)があり、どこを切り取っても絵葉書になる美しさ。湿気は少なくて過ごしやすいです。スーパーに入って値段をチェック。日本より少し安い程度です。またあちこちに不動産屋があって、豪華な不動産がたくさん売り出されています。
部屋に戻り、持ってきた日本食を食べてシャワーを浴び、今日は終了。爆睡。アルファー食品のお湯を注ぐだけの白米、世界一周に必須アイテムです。これが有る無しでは旅行の質がガラッと変わります。日本食最高!