1回目の世界一周【8日目】ラパヌイ(イースター島)観光スタート!
人生最初のモアイ
宿の朝食は外で食べます。宿で飼われている犬が可愛い。2月のラパヌイは真夏ですが、朝はカラッと気持ち良いです。宿でレンタカーを借りて、待ちに待った島観光に出発!ラパヌイの道路はオフロードも結構あるので、MTのジムニーです。しかも左ハンドルなので面白い!
レンタカーで出発する前に、不思議な感覚になりました。子どもの頃からずっと憧れていたラパヌイに来て、早く島を巡りたいという気持ちとは反対に、このままここに留まって空を見上げて空気を吸っているだけで満たされ、どこにも行かなくても良いという気持ち。島を知ってしまったらもう知らなかった頃には戻れないという悲しみにも似た気持ち。その気持ちは今でも大切にしています。
最低限の観光マップはあるものの、それに頼らずに感覚で、直感に従って行きたい方向に走ります。といっても島には複雑な道路は全くなく、迷うこともありません。そして海沿いの道路を走っていると第一モアイを発見!!これが人生で最初に出会ったモアイです。一番最初に出会ったので「いっちゃん」と名付けました。
いっちゃんを存分に堪能したら、海を右手に見て海岸沿いを走ります。モアイは島の至る所にあると思っていたのですが、そうではなかったです。そしてモアイにも勝るのが、島の大自然!!宿や店が集中するハンガ・ロアを出ると、ひたすら広がる平原!!広い空!!蒼い海!!そして良い香り!!道路は舗装されていますが、舗装が剥げてオフロードになっている箇所も沢山あります。そんなオフロード交じりの道路を行くと…
テ・アラ・オ・テ・モアイ(Te Ara O Te Moai)
「Te Ara O Te Moai」と書かれた看板の奥に、前向きに倒れたモアイがありました。モアイは基本、こうやって柵で囲ってあります。人魚ちゃんが同じ格好をしてパシャリ。「このモアイ、手をパンッ!と叩いたら飛び起きそうやな」と話して大爆笑!!
ラノ・ララク(Rano Raraku)
そしてここから向かったのがラノ・ララク。モアイが削り出された山です。ここはラパヌイの中でも最もメジャーなスポットで、観光客は絶対に訪れます。ラノ・ララクのモアイ達は山の法面に点在していて、その法面が南南西向きなんです。なので午前中は日影になり、写真写りが良くありません。といっても、朝一番に行かないと他の観光客も沢山来て写真を撮るのに邪魔です。特に中国人のバスツアーが来たら終わりです。人が写るには良いとしても、中国人は原色の派手な服を着ていることが多く、モアイの周りにそういったチカチカした色合いの人たちが群がっているのは写真に撮りたくないです。僕らのようにレンタカーで小回りを利かせて移動する観光客は稀で、ほとんどがバスツアーです。
ラノ・ララクの受付から奥に進むと、山に突き当たって左右に小径が別れています。右に行くと、いわゆるラノ・ララク。モアイ達に会えます。受け付けでチケットを見せてハンコを押してもらいます。そしてノートにパスポート番号(これは覚えている筈もなく、適当に書いてOK)と名前(ローマ字でも漢字でもOK)と国名を記入し、管理人に注意事項を説明されます。「モアイの上に乗ってはいけない」「柵の中に入ってはいけない」「ゴミは持ち帰ること」など当然のことなので、そんなことを注意事項として聞かされることが恥ずかしいと思いました。中国人のせいですね。
ラノ・ララクは、2022年10月上旬に発生した山火事で、島に点在する約1000体のうち数百体のモアイが「修復不可能なダメージ」を受けたといいます。このニュースを見たときは、自分の身体が引き裂かれたようでした。野焼きが延焼したらしいのですが、僕でさえこんなに悲しいのに、島の住人の気持ちはどんなだろうと思うと、やりきれません。
ラノ・ララクのカルデラ湖
ラノ・ララクの奥に正座したモアイがいて、写真を撮った筈なんですが、写真がありません。ま、どこかでアップします。右側のモアイ達と絶景を堪能し、最初の分かれ道を左に行くと…
ラノ・ララクの山の法面の裏側に出ます。片道1kmかそれ以上あると思います。結構歩きました。途中から汚くて臭い野良犬が後を付いて来て、犬好きの僕でもちょっと鬱陶しかったのですが、どうやらこの犬、馬追のために飼われているみたいです。ここには小さな湖があって、その奥にはモアイが見えます。そこまで行きたいのですが、柵があるのでここまでです。馬たちは、観光客がいない早朝にラノ・ララクの伸びた草を食んでくれています。
この湖が干上がって、底からモアイが出て来たのが2023年2月にニュースになりました。
湖から戻ったら、法面側がすっかり明るくなっていました。
ラノ・ララクの受付前にはちょっとしたフードコートと土産店があり、ここで一息。鶏、猫、犬もいます。
アフ・トンガリキ(Ahu Tongariki)
ラノ・ララクから海沿いを走っていると、女の子が2人歩いています。この炎天下、ここまで歩いて来たのも凄いですが、ここから先も果てしなく続く道をどこまで歩いて行くのかも知れず…。その子達がヒッチハイクしてきたので乗せてあげました。どの国から来たのか忘れてしまいましたが、英語は通じました。「こんな所までよく歩いたね!それにこれから先も歩こうとしていたのも信じられない!」と伝えると、自分たちでもそう思うと言っていました。どうやら祭りがあるみたいで、そこに叔父と叔母が来ていて合流したいとのこと。僕たちもそれを聞いて「祭り!?行く!」となりました。
その前に、アフ・トンガリキに寄りました。ここは津波で全部倒れて、そのことが「世界・ふしぎ発見!」で放送されると、株式会社タダノが1992年からクレーンなどをラパヌイに持ち込んで、島南部のアフ・トンガリキにあるモアイ像の復元・修復に成功。 また、使用後のクレーンなどをイースター島に寄贈したとの逸話は有名です。
チリ・イースター島へのクレーン寄贈(3台目)について | 株式会社タダノ – 建設用クレーン車
プイ山(Cerro Maunga Pui)
トンガリキを出て、女の子達のナビに従って運転すること15分ほど、プイ山に着きました。車が何十台も路駐されていて、こんなに人がどこから集まって来るのか不思議なくらいの賑やかさでした。ラパヌイの伝統的な祭りの「バナナの皮滑り」というものらしく、山の斜面を滑り降りてスピードを競っています。昔は本当にバナナの皮を使って滑っていたみたいです。今は小さい橇に乗っています。物凄いスピードで最速で100km/hを超えるらしく、時には死人が出るとのこと。
祭りを堪能したので、車に戻ってドライブを続けます。ラパヌイの海岸はアナケナビーチ以外は真っ黒な溶岩がゴロゴロしていて、浜辺がありません。それでも海との境目を見たかったので、適当な場所を選んで車を降りました。何!?この色!!紺碧の空、白い雲、エメラルドグリーンの海、緑の草原、漆黒の溶岩!!もう何もかもが最高!!
そして車に戻ってまた走っていると、馬に出会いました。ラパヌイには野生の馬、牛がいて、伸び伸びと暮らしています。町のハンガロアにも普通に馬が歩いていて、ダイビングショップの潮を洗う水槽の水を飲んだりしています。こうやって人と動物が仲良く暮らしている風景はラパヌイならではと思います。あ、そうそう、野犬も沢山います。
宿に戻り、日本から持って来たそうめん、蕎麦を茹でて夕食です。2月のラパヌイの夜は21時でも夕方のような明るさで、日本の時間の感覚とは違います。客室にはもちろんガスコンロはありません。厨房を借りたと思いますが、忘れました。
ハンガ・ロア(Hanga Roa)
そしてこの宿から車で5分程で、島の唯一の町「ハンガ・ロア」があります。シャワーを浴びて、ハンガ・ロアを散策し、買物。ラパヌイのタンクトップを沢山買いました。2023年の今でも年中着ています。
ハンガ・ロアのビューポイント(Mirador Hanga Roa Lookout)
マタヴェリ空港を通り越して、空港と町が見渡せる山に上って行きます。この山は牛のエリアのようで、牛が沢山います。
ラノ・カウ(Rano Kau)
ビューポイントから更に上って行くと、何台か車が停めてあります。ちょっとした手すりと石段があって、何かありそうです。軽い気持ちで寄ってみると…
突然、目の前に現れた壮観なカルデラ!!このときの感動は忘れません。
人魚ちゃんと2人、言葉を失いました。全身鳥肌!この景色に自分たちが溶け込んでなくなりそうな感覚。地球と一体になった感覚。ここが、僕が地球上で一番好きな場所になりました。
ラノ・カウには、4回の世界旅行で何度も何度も訪れました。時間が違うと全く違った景色になるので、飽きるとこなく何時間でもここにいられます。ラパヌイ、地球、宇宙、絶対無限の存在にまで意識がブワ~~~~~ッと広がり、自分と周りとの境界がなくなって果てしない幸せに包まれます。
オロンゴ(Orongo)
ラノ・カウのすぐ上に、ラパヌイで一番神聖な場所、オロンゴがあります。ここに白いモアイがあったのですが、イギリスが強奪していきました。岩を薄く割ってか削ったかしたものをミルフィーユみたいに重ねて作られた住居のようなものがあります。かつてのラパヌイでは色んな儀式や祭りが行われていたという資料が沢山展示されています。各集落の代表が200mもある断崖絶壁を下りてサメのいる海に入り、対岸にあるモト・ヌイ(小さな島)の海鳥の卵を持ち帰るという競技。これは島のリーダーとなる集落を決める重要なものだったようです。
モト・ヌイを見下ろす海の景色は素晴らしく、どの海のどの青とも違う、ラパヌイだけの青。ここから空に溶け出すような水平線を眺めていると、何もかも忘れて何時間でもボーッとしてられます。本当に美しい。
家庭的なレストラン
山から下りてお腹が空いていたので、どこかで食べる所はないかと車を走らせながら探していたら、地味な看板を発見。入ってみました。めちゃくちゃ広い敷地の家で、その中にお店が構えられています。店の前には店主の自宅が。子どもが伸び伸びと遊んでいます。この島に生まれ育ったら本当に幸せですね。30分以上待ちましたが美味しかったです。優しいお母さんと一緒に写真をパシャリ。また来ます。