金融サイトのサブディレについての考察
もはやドメインで決まってしまう
このサイト(モアイ金融)はアフィリエイト広告を掲載していますが、アフィリエイトは検索結果の上位に入らないと売上がありません。例えば最も売上のある検索ワードは「お金借りる」「即日融資」「消費者金融」「カードローン」などです。いわゆるビッグワードといい、これらの検索ワードで検索結果上位に入るには、かなりの時間と労力が必要です。数年前までは、新規参入者でもこれらの検索ワードでの上位表示は可能でしたが、今では不可能です。
Google 検索セントラル ブログには、Google公式のアナウンスがアップされます。この中にアフィリエイトサイトを取り締まる内容が書かれていて、年々取締りが厳しくなっています。というのも、アフィリエイトサイトによって検索結果が荒らされている(=検索結果の上位ページがアフィリエイトサイトだらけ)状況をGoogleが嫌うためです。
例えば「キャッシング」という超ビッグワードがあります。アフィリエイトサイトが検索結果1位だと、月2000万円ほどの収益が見込まれます。しかし検索してみて分かる通り、検索結果上位にはアフィリエイトサイトは全く見当たらず、三井住友カードやJCBカードなどの公式サイトばかりです。
一方「お金借りる」という超ビッグワードで検索してみると、アフィリエイトサイトが検索結果上位に入っています。しかしそのドメインを見てみると、保険代理店や金融サービスなどの公式ページです。これは、以下のような構造になっています。
https://○○-hoken.com/media/
○○-hokenが「media」というフォルダを作成し、その中にアフィリエイターがアフィリエイトサイトをアップロードすることで、○○-hoken.comが運営しているように見せかけ、アフィリエイト報酬を山分けするという仕組みです。これをサブディレクトリ(通称サブディレ)といいます。
以前はアフィリエイターは自分で用意したドメインにコンテンツをアップして様々な仮説を立て、試行錯誤しながらSEOしていましたが、こうなってはサブディレの一人勝ちです。
アフィリエイター間では「全然検索結果上位に上がらなかったサイトのコンテンツをサブディレに移し替えただけで一気に上がった」という話があちこちで聞かれ、もはやコンテンツではなく、保険代理店や金融サービスなどの公式ページのドメインにサブディレができるかどうかで決まってしまっています。
また、保険代理店や金融サービスなどは、公式ページのドメインをアフィリエイターに貸しているだけでアフィリエイト売上の何割かを受取れるという旨みを知ってしまい、本業が疎かになる可能性もあります。また、本業よりもアフィリエイトの売上の方が大きくなった場合、経常利益が膨れ上がって決算内容が異様になってしまいます。
サブディレの時代は続くのか?
アフィリエイターの売上が上がらないと共倒れになるのはASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)です。なので保険代理店や士業などの公式ホームページには、様々なASPやアフィリエイターから営業がかけられています。保険代理店や士業などの公式ホームページはパイが限られているので、もはや椅子取りゲームです。
「コンテンツが全て」とアナウンスするGoogleの主張は、公然の嘘になっています。今は「ドメインが全て」です。パイが限られた椅子取りゲームの行く先にはどんな景色があるのか・・・リスティング広告はGoogleの収益源なので、リスティングアフィリエイターは生き残ると思います。
今後どんな風になっていくのかを想像してみました。
サブディレは生き残る
今のところ、Google検索結果上位に表示されている手法が正解ということになり、サブディレは参入障壁が高いこともあり、サブディレは生き残るケースが考えられます。しかし、サブディレが乱立して飽和状態になったら新たなルールが設けられるでしょうね。
サブディレは排除される
サブディレ営業が過剰になって色々な問題が噴出して表面化してきた場合、Googleは何らかの対策を講じてサブディレを排除する方向に舵を切るかもしれません。その場合、次に検索結果上位に入ってくるのはどんなドメインなのか。でもやっぱり他のサブディレかもしれませんね。
リンクの時代に戻る
サブディレ以前は、権威のあるドメインからのリンクがSEOの要でした。サブディレが排除された場合、またリンクの時代に戻るかもしれません。
アプリに表示されるアフィリエイトだけが生き残る
アプリはGoogleの検査結果の影響を受けることはほとんどありません。そのため「bokeて」「トリマ」のようなユーザーを惹きつけるアプリのように、広告収入で成り立っているアプリだけが生き残るかもしれません。